きょう富士山の日:増える外国人客 下山ミスが課題に

毎日新聞 2015年02月23日 11時03分(最終更新 02月23日 12時44分)

昨年の夏山シーズン最終日、多くの登山者・観光客でにぎわう富士山5合目=2014年9月14日、小田切敏雄撮影
昨年の夏山シーズン最終日、多くの登山者・観光客でにぎわう富士山5合目=2014年9月14日、小田切敏雄撮影

 きょう2月23日は富士山の日。山麓(さんろく)の静岡や山梨ではさまざまなイベントが予定されている。しかし、外国人を中心とした登山客の急増や、それに伴う環境問題など富士山をめぐる課題は依然、山積している。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が提出を求めている保全状況報告書の期限(2016年2月1日)も目前だ。

 富士山は国内外から年間約30万人の登山客を迎え、円安や訪日ブームを背景に外国人が増加傾向にある。ただ、登山口が四つ(吉田、富士宮、御殿場、須走)あり、上りと異なるルートで下山してしまうケースがとくに外国人に多く、大きな課題になっている。

 山梨側の吉田口から山頂を目指し、静岡側の須走口に下りたケースがほとんど。このため、吉田口までタクシーで約3万円かけて戻ったり、別れて下山した仲間との待ち合わせを東京都内に変更したりせざるをえない事態が生じている。

 なぜ下山時に吉田口と須走口の登山道を間違えてしまうのか。登山道は地図上でルート色が決まっており、吉田口が黄色、須走口が赤色。だが、せっかく色分けしても両ルートは山頂から8合目まで下山道が同じで分岐に気付かないことが多い。

 昨年は分岐点の表示を分かりやすく変更するなど、地元も対策に手をこまぬいているわけではない。分岐点には山梨県側のガイド役が立ち、日本語のほか、英語、中国語、韓国語による音声ガイダンスもある。

 静岡県側も須走のほかに富士宮、御殿場の3登山口にガイド役「富士山ナビゲーター」を配置し、日本語も含めた4カ国語で対応している(御殿場は日本語と英語)。一方で、日本人も含めた登山者は、7月から2カ月間の夏季に集中するため、自然保護対策が急務となっている。バイオトイレの整備や携帯トイレ持参の奨励、マイカー規制の期間延長が進められているが、根本的な解決には至っていない。

 「富士山はオーバーユース(過剰利用)」との指摘は専門家からも根強くあり、両県は昨年末、登山者数の上限を決めるなど対策素案をまとめた。今夏からルートごとの登山者数を調べ、自然環境を保つことのできる適正な人数を決める。多数の犠牲者が出た昨年9月の御嶽山(長野・岐阜県境)噴火で、周辺住民も含めた防災面もクローズアップされ、両県にとって観光振興とバランスの取れた保全策が急務となっている。【立上修】

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