ドイツ:対リトアニア、戦車輸出を拒否…露刺激を回避か

毎日新聞 2015年02月23日 12時20分

 【ベルリン篠田航一】ドイツ政府は、旧ソ連・バルト3国のリトアニアに対する戦車の輸出を拒否した。独紙ウェルト日曜版が伝えた。ドイツ国防省も22日、報道内容を認めた。ウクライナ情勢緊迫化を受け、ロシアの脅威を訴えるリトアニアは、北大西洋条約機構(NATO)主要同盟国のドイツに武装車両を要請していた。だが、ウクライナ問題で仲介・交渉役を務めるメルケル政権が、過度にロシアを刺激する事態を避けたとみられる。

 DPA通信によると、独国防省報道官は「同盟国の軍備近代化は歓迎だが、武装車両提供は現段階で予定していない」と説明し、要請を拒否したことを認めた。

 昨年のロシアによるウクライナ南部クリミア半島編入強行などを受け、領土侵犯を警戒するリトアニアは、ロシアを「現実的な脅威」(グリバウスカイテ大統領)と位置付けている。

 このため、ドイツの最新式戦車の供与を望んでいた。

 ロシアへの警戒感は欧州で根強く、英国のファロン国防相は18日、「ロシアはバルト3国の不安定化を狙っており、現実的な危険が今そこにある」と指摘。メルケル政権の与党内からも「同盟国を支援すべきだ」とリトアニアへの強力な武器供与を求める声が上がっている。

 しかし、メルケル首相はウクライナ問題でプーチン露大統領との対話を重視する「仲介者」を務めており、ロシア挑発を避け、一定の配慮を見せた格好だ。

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