もし、愛する奥さんや彼女が病気になってしまったら――? そんなとき、慌てずしっかりとパートナーをフォローするために知っておきたいことがある。それは、実は現代の日本において「女性は医療の犠牲になりやすい」という現実だ。
『患者よ、がんと闘うな』などで医療の真実に鋭くメスを入れ、医学界の常識とも闘い続ける医師の近藤誠が新著『もう、だまされない! 近藤誠の「女性の医学」』を刊行。今また、この国の医療のあり方に警鐘を鳴らす、近藤氏に聞いた。
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―健康のためによかれと受けている健康診断やがん検診が、無意味どころか、むしろ有害という主張に驚かされました。
近藤 今の日本の医療は万事、お金が中心になっていて、健康人は常に病人にさせられようとしています。健康診断、人間ドック、がん検診などは病気というレッテルを貼り、健康人を病人に転落させるための検査。本当に痛い・苦しいという人が病院に行くだけでは、医療産業は潰(つぶ)れてしまうからです。
実際は様々な比較試験のデータが、健康な人に見つかる病気は治療しないほうが長生きできると示しています。
―そんな中でも、特に女性は医療の被害者になりやすいと指摘されています。
近藤 女性は子供を産むという役割を担っている関係で、生理的な変化・変動が激しく、体の不調を感じて病院に行く機会が多い。それらは本来、生理的な変化でしかないのですが、そこで何かが見つかって病名をつけられ病人にされてしまい、結果として医療被害者になりやすい。
しかも、本当はやらなくてもいい手術によって、生殖臓器である子宮や卵巣、あるいは乳房を失いやすいんです。
―特に乳がん検診で受けるマンモグラフィは有害だと?
近藤 まったく無意味かつ有害です。ここ十数年、マンモグラフィが盛んに行なわれるようになったため、乳がんの発見数は80年代のそれの3倍以上と、大幅に増加しました。しかし、乳がんの死亡者数はまったく減っていないんです。信頼できる海外の比較試験でも、約9万人の被験者をマンモグラフィありとなしのグループに分けて追跡したところ、定期的に実施してもがん死亡者数が減らないことがわかりました。