SKE48松井玲奈と大矢真那が語る、激動の6年間とこれからの課題「今はグループを立て直す時」
リアルサウンド 2月23日(月)7時0分配信
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| 松井玲奈(左)と大矢真那(右)。(写真=竹内洋平) |
2月27日より、SKE48の初ドキュメンタリー映画『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』が公開される。同作は、『DOCUMENTARY of AKB48』シリーズの最新作で、姉妹グループのなかでも最も早く結成したSKE48に密着し、1期オーディションから撮り続けられてきた膨大な記録映像と今回新たに収録されるメンバーインタビュー、舞台裏で撮られた秘蔵VTRなどを構成したもので、知られざるメンバーの一面や、大量卒業の裏で起きた出来事のほか、松井珠理奈と松井玲奈という対照的な両エースの姿を描くもの。今回リアルサウンドでは、1期生の松井玲奈と大矢真那にインタビューを実施。AKB48最初の姉妹グループとしての立ち位置の変化や戸惑い、そして活動を通じて流した涙などについて、大いに語ってもらった。
・「今は真ん中に立ちたいとは思ってない」(松井)
――作品にはSKE48の6年間がギュッと詰まっています。松井さんと大矢さんが加入した時に目標としていたことと、現状の目標にはどんな差がありますか?
大矢真那(以下:大矢):SKE48の結成当初は、みんな「AKB48を超える」という目標を立てて進んできて。6年経った今は、超えるという目標ではなくて、「一緒にAKB48グループを盛り上げる」という感じになってきたと思います。そして「AKB48グループの中でもSKE48が頭一つ抜けた存在になりたい」という新たな目標を持つようになりました。
松井玲奈(以下:松井):SKE48に入った時は、一つでもポジションを良くすること、真ん中に近づくことを一番の目標にして頑張ってきました。でも、改めて6年を振り返ってみると、今は真ん中に立ちたいとは思ってなくて、逆に「真ん中に立てる子を育てていかなきゃいけないし、そのために自分が一歩引いたり、何かを残していかなければ」と考えるようになっています。
――二人が今の考え方に至ったのは、それぞれどのタイミングですか?
大矢:NMB48が出来たくらいかな……。それまではAKB48とSKE48の2グループだけでしたが、3つ目のNMB48が出来て初めて“AKB48グループ”という名称が付いたので。
松井:2013年4月13日に『SKE48 春コン 2013「変わらないこと。ずっと仲間なこと」』でSKE48が初めて組閣を行った時ですね。それまで、チームSのメンバーとして活動していましたが、この組閣でチームEのリーダーになりました。それまでは同期と一緒だったのが、全員が後輩のチームになったんです。その時に、もともとチームEにいた木本花音ちゃんがセンターをやっている姿を見て、「自分が前に出ることがすべてではないし、ちゃんと支えてあげて、こういう子をもっと育てていかなきゃいけない」と思ったことが始まりだと思います。
・「『SKE48にいたから、新しい場所で輝いている』ということがわかる」(大矢)
――組閣といえば、2014年の『AKB48グループ 大組閣祭り〜時代は変わる。 だけど、僕らは前しか向かねえ!〜』は、木崎ゆりあさんがAKB48に完全移籍したり、松井玲奈さんが乃木坂46と兼任になったりして、SKE48が一番変動したグループではないかという意見もあります。
松井:あの時は、ただ一人グループのなかで名前を呼ばれなくて、席に残っている自分がどうなってしまうんだろうという不安もありましたし、呼ばれたときは、乃木坂46に移るということより、「SKE48でいられて良かった」という気持ちが大きかったですね。
大矢:兼任のメンバーに関しては、玲奈やちゅり(高柳明音/NMB48・チームNと兼任)たちの負担が2倍になってしまうことへの心配がありました。自分のことだけでも大変なはずなのに、仕事が増えて大丈夫かなと。ゆりあがAKB48に行ったことに関しては、彼女のためになることだと思っています。だから、「良かったね」という素直な気持ちで送り出せたし、SKE48に新しく加わってくれたメンバーについては、私たちができなかったことをやってくれている。例えば(宮澤)佐江さんは、みんなをまとめながら引っ張ってくれて、本当に頼りになる存在です。みんな体に気を付けて頑張ってほしいですね。
松井:AKB48グループは大所帯だから、「変わることが当たり前なんだ」って思っています。これが5人組のアイドルグループなら絶対にありえないことだと思うんですよ。例えば、ももクロ(ももいろクローバーZ)にエビ中(私立恵比須中学)のメンバーが入ることになったらすごい騒動になりますよね(笑)。でも、AKB48グループはそういうこともあり得るグループで、それを自分たちもファンの方も受け入れながら、新しいメンバーでのSKE48を常に作っていかなければいけない。もちろん、それが受け入れられないファンの方もいらっしゃると思うんですけど、私たちはその事実を認めてもらって、より楽しんでもらえるようなグループにしていかないと、SKE48はこの先に続いていきません。いなくなったメンバーのことは大きいですけど、そこは埋めていかなければ前に進めないですし、現状で何をするのが一番なのかをいつも考えながら活動しています。
――今年は乃木坂46、NMB48、HKT48とドキュメンタリー映画の公開ラッシュが続きます。そのなかで『アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48』ならではの見どころはなんですか?
大矢:ほかのグループの映画はまだ観ていないので比べることはできませんが、この作品では卒業したメンバーにも光を当てていて、「SKE48にいたから、新しい場所で輝いている」ということがわかる内容になっていると思いますし、今のSKE48メンバーには「SKE48でもっともっと頑張りたい」と感じる映画になっていると思います。“SKE48魂”の継承にも注目ですね。
松井:映画では6年という時間を改めて追っていって、私たちの出発点・根源に何があるかを丁寧に切り取っていただいています。振り付けの指導に関しても、牧野アンナ先生にただ厳しくされているだけじゃなくて、その時に先生がどう思っていたかも描かれていて。私たちは先生の気持ちを初めて知ることになったし、どうしてSKE48が今の形になったのかはこの映画を見るとよくわかる。そういう意味では私たち自身も気付かされることが多かったです。
――牧野アンナ先生は準主演というくらい出演されていますよね(笑)。
松井:メンバーより出てるかも(笑)。
・「玲奈は泣いている表情が絵になる」(大矢)
――映画には『アイドルの涙』というタイトルが付いていますが、嬉しい涙や悔しい涙など、『涙』には色々な解釈があると思います。二人は真っ先にどんな「涙」を連想しましたか?
大矢:私は真っ先に玲奈の涙を思い浮かべました。玲奈って今までの映像とかでも、泣いてる表情を使われることが多くて……綺麗に泣くからだと思うんですけど(笑)。玲奈はそんなにハートが弱い人でもないんですけど、泣いている表情が絵になるので、まさに『アイドルの涙』という感じですね。
松井:嬉しい(笑)。『アイドルの涙』ってすごく素敵なフレーズだなと思うんですけど、改めて思い返すと「みんなそんなに泣いてたっけ?」って気持ちもありますね(笑)。泣きすぎていて、あまり泣いている実感が無いのかもしれませんが……。あと、過去映像ではみんな泣いているところを使われているんですけど、映画内のインタビューで泣いているのは少なかったから、「みんな強くなったなあ」っていう印象です。
・「あえて言えば『孤独だったな』」(松井)
――活動のなかでそれぞれが流した「涙」は、どんな感情のものでしょう。
大矢:私は「寂しい涙」が多かった。メンバーの卒業は6年活動していても慣れることはなく、卒業するたびに寂しくて涙が出ます。私自身は「悔し涙」ってほとんどなくて、「泣くくらいならそれを蹴飛ばすくらい何かをやってやる!」って思うタイプなんですけど、卒業だけはどうしても涙が出てきますね……。
松井:私は……あえて言えば「孤独だったな」って。『リクエストアワー』という、ファンの方に投票でセットリストを決めていただく公演があって、初年度の1位が私のソロ曲(「枯葉のステーション」)だったんです。その時は嬉しかったんですけど、振り返って、よかったのかなって思ったんです。出番前に「このコンサートの最後はこの曲で良かったのかな」とか、ひな壇のメンバーを見て「みんなはどう感じているんだろう」って思ったときに、その気持ちがわからない自分に不安を感じて、終わった後に一人で泣きました。でも、ありがたいことに翌年も同じ曲を1位にしていただいて。嬉しかったんですけど、その年の2位が「お待たせSet list」っていう、ようやく始まったチームKIIのオリジナル公演からの一曲だったんですね。その曲が2位にランクインすることには大きな意味があって、会場ではKIIコールが起こって、メンバーが「おめでとう!」って喜んで、誰もが祝福している空間だったんです。そんな中、一人で舞台袖にいて待っている私は、どういう気持ちでいればいいんだろう……って。
大矢:それだけ玲奈を支えたいって思うファンの人が多かったんだから、玲奈は孤独じゃないんだよ!
松井:そうだよね、でも内側の私はすごく孤独感を抱えながらあの日はステージに立ったよ(笑)。寂しいわけではないんですけど、その当時はみんなに壁を作っていたから……。
大矢:たしかに、すごい作られてました(笑)。
松井:元々一匹狼スタンスということもあり、最初は「自分が上に上がっていくためにここにいる」という気持ちでやっていて、そういう意味では「みんなと自分は違う」って思って、孤独感を感じていました。でも、本当はみんなと仲良くしたいけどどうすればいいかわからないという涙も多かったです。今振り返ると笑い話ですが、不器用だったなと思います(笑)。
大矢:すごい高い壁だったよー! なかなか乗り越えれなかった(笑)。
・「『あー、これ何かに使うんだろうなー』と思うことはある」(松井)
――AKB48のドキュメンタリーシリーズでは、過呼吸で倒れてしまったり、泣き崩れたりするシーンも撮影されています。ああいう時、撮られている側はどんな心境なんですか?
松井:嫌ですよ(笑)。泣いてるところとかも近くで撮られるので、ふと「あー、これ何かに使うんだろうなー」と思うことはあります。もちろん、感情は作り物じゃなくてその時起こった出来事に応じて自然に出ちゃうんですけど、それを何かに使われると思うと、やっぱり抵抗はあります(笑)。
大矢:私は常に冷静でいなきゃという気持ちが強いので、過呼吸になったりしたことはないですけど、泣いてしまうことはあるので、「どうやったら玲奈みたいにあんな綺麗に泣けるんだろう」って思いながらぐしゃっとした顔で泣いています(笑)。撮られてる時に「ちょっと綺麗に泣いてみよう」と思ったことはあるんですけど……どうやったら綺麗に泣けるの(笑)?
松井:私だって声を漏らしそうになるのを我慢してるよ(笑)。
・「SKE48は今の勢いのままでは駄目だと思う」(大矢)
――最近、SKE48のことを知ったファンには、グループのどこを見てほしいですか。
大矢:今も昔も変わらない一生懸命さは、劇場公演で一目でわかっていただけるSKE48の魅力だと思います。ありがたいことに今は劇場の席が取れないという方も多くいらっしゃるんですけど、でも、劇場公演だけじゃなくて、全国ツアーや、大きなコンサートなどで、一度SKE48のパフォーマンスを見て欲しいです。そしたら一発でハマっていただけると思いますよ、ステージでより輝くグループですから!
――映画公開後の3月には、グループを支えた一期メンバー・中西優香さんと佐藤実絵子さんが卒業します。この映画でもこの二人がインタビューに答えていますが、彼女たちの卒業について、二人が思っていることを聞かせてください。
松井:二人は卒業を発表したとき、「私たちが辞めることが最終手段」と言っていました。後輩メンバーには、グループを立て直さないといけない状況になってきていることをわかってほしいですし、二人はこの短い期間で何かを残そうとしてくれている。なので、私たちはその意思を汲み取って、グループを中から活性化させ、さらに飛躍させていかないといけないと思います。
大矢:私も、にしし(中西)と姉さん(佐藤)が卒業を発表して、後輩たちがやっと口に出して「SKE48はこれからどうしていこう」と言い出したのを見ながら、二人が卒業を発表したという実感が出てきました。SKE48は今の勢いのままでは駄目だと思いますし、やはり『AKB48グループの中で頭一つ抜けなきゃいけない』ので、これからも何事も手を抜かずに一生懸命に取り組んで行きたいと思います。
※木崎ゆりあの「崎」のつくりは立に可が正式表記。
中村拓海
最終更新:2月23日(月)7時0分
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