人物等の切り抜き方法

画像をちょっとコラージュして使おうと思っても、必要となってくるのが「切り抜き」等の加工技術ですよね。 今回は基本の「切り抜き」方法の一つを自分なりにまとめてみました。

今回記事にしたのは、髪の毛などの複雑な形状も比較的簡単に切り抜ける「パスアルファチャンネル」を組み合わせた方法です。
(ここで言う)パスとは…
アンカーポイント(点)に備わっているハンドルを操作してセグメント(線)を描き、オブジェクトを生成するという描画法のツール。
アルファチャンネルとは…
 簡単に言うと、画像データにおける透過度情報のこと。
画像データは、この透過度情報+基本色の組み合わせによって様々な表現が可能になっています。 (以降、チャンネルと記載)

「切り抜き」って、実際にはレイヤーマスクを使って、必要な部分を表示して不必要な部分を表示しない様にするマスキングの手法をとる事が多いのです。
画像を劣化させず、かつ再編集も容易な方法なので、覚えておくと便利だと思いますよ♪

(今回は友人に求められていた事もあり、フリーソフトのGIMPを使いました。
 ただ、私はGIMPに詳しいと言う訳ではありませんので、各機能の詳しい使い方などは専門のサイト等で調べてみて下さい。
 尚、間違いがあれば御指摘頂けると助かります。
 この位出来るフリーソフトがあるのはとっても有難いですよね♪)

今回は人物の切り抜きなので、難しい髪先部分は「チャンネル」で、それ以外の部分は「パス」で範囲を選択していきます。

【おおまかな流れ】
1.髪先以外の部分をパスで選択。
2.髪先部分をとる為のチャンネル加工。
3.1+2でチャンネルの合成加工。
4.その合成チャンネルからレイヤーマスクを作成。
5.出来上がり♪
(使用ソフト:GIMP 2.6.10)



【手順】
1)切り抜きたい画像のアウトラインをパスツールで範囲選択する。
どの選択ツールを使ってもイイと思いますが、私はパスが一番扱いやすいので、パスで選択していきます。
(パスの操作法については、詳しく説明されているサイトが沢山あると思いますので、今回は割愛しました。)
一周して調整したら「パスを選択範囲に」で選択された状態にします。
そして、今回は「選択」>「境界をぼかす」で1px程ぼかしましたが、切り抜き対象と新背景とを馴染ませたい場合は少しぼかしてから、ハッキリさせたい場合はそのままでもOKです。
それから「選択」>「チャンネルに保存」で保存したら、選択を解除します。
(この時ついでに、右クリック>「プロパティの編集」で名前を付けておいた方が良いと思います。
パスもパスダイアログで名前を付けておきます。)

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2-1)加工するチャンネルの選択。

チャンネルダイアログを開き、その中で濃淡差が一番出ているチャンネルを右クリック>「チャンネルの複製」でコピーをとり、表示状態にしておきます。
(GIMPでは「チャンネル分割」の手順を踏まなくても画像を開けばチャンネルも開かれますが、色が付いていて見辛い場合、「色調補正」>「色要素」>「チャンネル分解」からグレースケールのチャンネルも確認出来ますヨ。)

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2-2)チャンネルの調整作業。

複製したチャンネルを表示したら、更に濃淡差をつける為にチャンネルのコントラストを調節します。その複製したチャンネルをクリックして選択した状態で、「色調補正」>「レベル補正」をします。
画像の欲しい部分を黒点のスポイトでクリックし、背景の飛ばしたい部分を白点のスポイトでクリックします。
(「レベル補正」のスライダーを直接左右へ動かしたり、「色調補正」>「トーンカーブ」で調節したりも出来ますが、スポイトを使った方が調節しやすいだろうと思います。)

ここでの作業がマスクの出来不出来を大きく左右する事になります。
コントラストを付け過ぎると細部のディテールが壊れてしまうので、よく見ながら作業します。

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2-3)「色調補正」>「階調の反転」で反転。
チャンネルでは、真っ黒は非表示を意味し「チャンネルを選択範囲に」でも選択されません。
よって、背景側が黒色になる様にします。

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3-1)チャンネルの合成作業。

最初に作った髪先以外の選択チャンネルをクリックしてから、下にある「チャンネルを選択範囲に」で選択状態にします。
その選択状態のまま、加工していたチャンネルをクリックして戻り、その選択範囲内をバケツの白色で塗りつぶします。
次に、その選択範囲を反転し、背景の要らない部分をブラシツールの黒色で塗っていきます。
塗り残しが無い様に塗ったら、選択を解除してOKです。

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3-2)髪先部分の調整。

加工チャンネル上で「近似色を選択」で黒い部分を選択範囲にしたら、その選択を反転します。すると、残したい部分が大体は選択されている状態になると思いますが、まだ未調整である髪先部分を調整する必要があるので、この選択範囲から髪先以外の選択範囲を引きます。それには、今選択されている状態のまま、髪先以外の選択範囲をクリックしてからCtrl+「チャンネルを選択範囲に」で、未調整である髪先部分が選択される事になります。

すると、パスで選択範囲を作った際に若干内側を選択したので胴体のキワ部分が選択範囲に残りましたが、そこは今回不要なので「なげなわ」か何かでその部分も選択範囲から引きます。
これで、髪先部分のみが選択された事になりました。
パス選択の時と同様に、今回はこの選択範囲の境界を少し(今回は0.5px程)ぼかしておきました。

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そしてブラシの白色で塗っていきますが、エアブラシにしてみたり、ブラシの種類や大きさやモードを変えてみたりして、塗り進めていきます。この時、顔側の境界線はしっかりと塗り、毛先はあまりべったりとは塗りつぶさないようにします。

このチャンネルがそのままレイヤーマスクとなるので、慎重に。

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そして選択を解除し、色の関係で抜けてしまっているところは白色で塗り、不要な部分は黒色で塗っておきます。
この時、はみ出してしまうのが心配なら、「選択の反転」で選択範囲を残したまま塗ってもイイと思います。
塗り終わったら、チャンネル加工は終了なので非表示にし、元画像に戻ります。

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4)レイヤーマスクを作成。
元画像をクリックしてから、「レイヤー」>「レイヤーマスク」>「レイヤーマスクの追加」で、加工したチャンネルから作成するボタンを選び実行すると、画像の横にマスクが作られます。

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もうこれで切り抜きの出来上がり♪ですが、確認の為、新規レイヤーを下に追加して、何色か入れてみて確認します。
ここで気になる箇所があれば更に調整しますが、今回はしませんでした。

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5)きちんと表示されている事を確認したら、「ファイル」>「保存」で切り抜きの完成です♪
背景を透明にした切り抜き画像が必要であれば、色レイヤーは非表示にして、透明度を扱えるpng等の形式で保存します。
この時、そのソフトの形式でも保存しておけば再編集が楽チンです。

切り抜き作業は以上です。お疲れ様でした~!

切り抜いた画像を使って、バナー風に作ってみました!

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