刀剣乱舞公式絵師 「和泉守兼定と堀川国広はホモ」発言で炎上 #とうらぶ - NAVER まとめ
と*う*け*ん(刀剣乱舞 @tkrb_ntr)の公式絵師が、プライベートなアカウントで「ホモを肯定する発言」を行ったことで、「鍵垢をスクリーンショットで晒しあげて」炎上した問題が発生している。
そんな中、腐女子被害者から愛を込めたアカウント @To_Fujoshiが登場だ。
ところで、「公式でホモが肯定されたこと」で何が問題となるのだろうか。
もちろん、答えは、見たくもないホモ絵を見てしまって心が傷ついた「腐女子被害者の皆さん」が回答している。
それでは、「ホモ」が肯定されることが、マナー的に許されない理由を、ご覧いただこう。
もちろん、「腐女子被害者から愛を込めて」は同性愛差別ではない。
アングラで、汚物で、異常性癖で、ガチで吐き気がする「ホモ」は、正当化されるべきでなく、一般的な存在ではないのは「マナー」として常識だからだ。
「腐女子被害者から愛を込めて」が、そう言っている。
※「ホモ」は、アングラで、汚物で、異常性癖で、ガチで吐き気がするけど、同性愛差別ではありません
ところで、「腐女子被害者から愛を込めて」のアカウント名であるが、現在では、「棲み分けは大事」に書き換えられている。
とあるツイッター利用者から「ホモ」という同性愛者に対する蔑称を連呼することに対して、批判の声が寄せられたため、書き換えたようだ。
しかし、この、棲み分けとは、なにか?
棲み分けとは、pixivで流布されている「腐向けマナー」で、pixiv利用者において常識となっている、マナーのことだ。
例えば、キルラキルというアニメの二次創作で、「同性愛」について描いたイラストをpixivでアップロードするなら、「ホモラキル」というタグを利用することが、pixivにおいて推奨されている。
「ホモ」という単語について、同性愛者に対する「蔑称」「差別用語」として利用されてきた歴史よりも、pixivマナーを大事にする、pixiv利用者の姿勢が顕れた素晴らしい考え方が見て取れる。
一般的に考えて、マナーとは、差別や蔑視が混ざり込むことのない態度が推奨されるものだが、pixivでは、そんなどうでもいいことよりも「ホモラキル」という差別語が混ざった単語を使うことがマナーとして薦められている。
pixiv、マナーとして最高の態度が流行っているのではなかろうか。
このようなマナーとして最高の態度は、pixivでは一般的のようだ。
例えば、pixivのノーマルカップリングの記事では、「pixivのマナー」として、「差別」や「偏見」の事実よりも、pixivのマナーを守ろう!という素晴らしい考え方が広められている。
以下に、引用してみよう。
不必要な揉め事を呼び込まないようにするために
ノーマルカップリングの「ノーマル」について、差別的な語感があるという批判がなされることもあり、代用として「ストレートカップリング」や「ヘテロカップリング」といった単語が推奨されるケースがネット上では存在している。
一方で、ノマカプは和製英語であり、差別的なニュアンスは存在しないという意見も通説として考えられている。
また、ノーマルカップリングの代用として使われる、「ストレート」や「ヘテロ」の語も、使いようによっては差別的だったり、偏見があるニュアンスとして思われてしまうことがあるとされている。
このような、「ノマカプ」に関する議論については、そもそも定まった結論として考え方が広まっているものではない。
むしろ必要以上に利用される単語について、差別的だったり、偏見が込められていないかの配慮を行うことは、不必要な議論を呼び込む事が多く、半強制的な同調圧力で気分を害する人がいたり、コミュニティの揉め事の種となってしまうことが多い。
そのため、pixivにおいては、広く用いられている「ノマカプ」の単語を男女カプのタグとして用いることが、一般的に推奨されている。
pixiv大百科が広めているマナーでは、「差別語というものは、人それぞれなんだよ」「何が差別語かについて、定まった考え方があるわけじゃない」「差別とか気にするのは、揉め事の火種になるからよくないよね」という、素晴らしい考え方が、広められている。
ところで、なぜ、「ノーマルカップリング」の、ノーマルが歴史的に問題があるとされるのか、以下に、みやきち氏(id:miyakichi)の記事を引用してみよう。
「どこかの同性愛コミュニティから『ノーマルは差別的だ』っていう意見が出てきてるわけじゃなく」? デマを流さないでくださいよid:kyoumoeさん。
異性愛を「ノーマル」とすることがなぜ問題なのかというと、それが19世紀末から始まる同性愛の病理化、そしてそこからくる同性愛者の迫害にさんざん使われてきた言説だからだよ。「主観」だの「不快」だのという生やさしい話じゃない。「異性愛こそノーマル、同性愛はそこからの逸脱」という発想のもと、同性愛者は精神病院に監禁され、電気ショックをかけられ(中国じゃ今もやってますね)、怪しげな注射を打たれ(アラン・チューリング知ってる?)、職を追われ(『ハーヴェイ・ミルク』は見たかい?)、ナチスに虐殺されて(ピンク・トライアングルぐらいは知ってるよね?)きたという歴史的事実があんの。当然、同性愛者のコミュニティは今も昔も異性愛を「ノーマル(正常)」として規範化することには反対しまくってるよ*1
「 ノーマルカップリング」のノーマルは、異性愛をノーマル(正常)として扱う考え方が、やがては「精神病院への監禁」や「同性愛を理由とした逮捕」「同性愛者の殺害」に繋がったから、問題だと、歴史的な事実を元に説明されている。
しかし、そんな歴史的な事実に基づいた難しい考え方よりも、pixiv利用者にとっては、pixivマナーが広める「そもそも差別的なニュアンスは存在しないかもしれないね」のほうが、わかりやすくて良いのかもしれない。
そんな、pixivの「穢らわしくて不快なホモを隠すのがpixivのマナーだよね、みんな、pixivのマナーを守ろうよ!」な風潮について、 エロス(同性愛)をテーマとした作品を得意とする小説家の森奈津子さんは、ツイッターで以下のようにコメントをされていた。
あと、腐発言を批判するのにホモホモホモホモ言って騒いでる人たちがホモフォビア丸出しで、私はだいぶ引きました。自分の友人知人親族にはゲイなんて一人もいないって、頭の片隅で思ってるから、あんな憎々しげにホモホモ言えるんだろうね。
— 森奈津子 (@MORI_Natsuko) 2015, 2月 20
こういうツイートをすると、「叩いてる人たちは同性愛が嫌いなんじゃなくて、腐妄想が嫌いなんです」とかいう反論が来そうだから、あらかじめ言っておきますが。じゃあ、なんで腐妄想が「けがらわしい」のよ? 実際、同性愛をけがらわしく感じてるから、そういう表現が出てくるんでしょ?
— 森奈津子 (@MORI_Natsuko) 2015, 2月 21
ご自身もバイセクシュアルであることを公表されている森奈津子さんらしい、同性愛に対する蔑称として扱われてきた「ホモという単語の扱い」に対する真っ当な意見であるが、
しかし、そんなどうでもいいことよりも、pixivでは「ホモ絵を見て不快な思いをする人がいるから、アングラで異常性癖なホモ絵を隠すことが正しいマナー」だと考えられているようだ。
pixivの、腐向けマナーの記事を引用しておこう。
腐向けの"問題"
「腐向け」としてpixivに投稿された作品数は膨大だが、腐向けは人を選ぶジャンルであり、その表現を不快に思う人、苦手に感じる人もまた膨大に存在する。
様々な趣味の利用者が存在するpixivでは、人を不快にする恐れのある表現を隠し、他の利用者に迷惑を掛けないようにすることを求める声がある。「腐向け」はBL趣味を持たない利用者には苦手に思われることが多いと慣習的に扱われている。
理由としては、普通の趣味の男性には、BL趣味者特有の視点から男性の可愛いらしさを評することや、実際の男性とは違った特徴を強調することが苦手に思われがちと考えられている。また、同性愛者男性からも、実際の同性愛とは違ったBL趣味者の女性特有の表現が嫌悪されがちとされることがある。
Q.なんで「可愛い」って言っちゃいけないの?このような問題は他ジャンルでも存在し、様々な趣味の利用者が存在するSNSでは、各々が不快な表現を避けるべきとする声もあるが、「腐向け」ジャンルは、各利用者の趣向の違いから揉め事が起こりやすく、自主的に検索避けなどといった対策を講ずることが必要として慣習的に扱われている。
他の好みの分かれるジャンルと同様に、その表現を示すタグを付ける(「腐向け」タグを付ける)ことが求められる一方、BLが検索で表示されるだけで軋轢がおきる恐れがある実情ゆえか、検索避けも求められる。
要約すると、ホモ絵は不快な存在なので、 検索で表示されるだけで軋轢がおきる怖れがあるし、人目につかないように、検索避けを行い、隠すことが、pixivのマナーだとされている。
まさに同性愛に対する迫害がネット上のオタク文化で再現されているようなマナーがpixivでは流布されているのであった。
さて、皆さん、「腐女子被害者 @To_Fujoshi」の、私たちと一緒に、「公式に対するホモ被害」について考え直しませんか?
だって、「ホモ」は、アングラで、汚物で、異常性癖で、ガチで吐き気がする、正当化したら許されないことだから、「公式でホモを肯定すること」なんて許されないですよね
なお、「愚痴アカウント腐向けマナー啓発」の体裁で、「ホモは異常性癖」「ホモはアングラ」「ホモは隠すべき」「ホモを見せるな」「ホモは吐き気がする」「ホモは死ね」などと、ホモフォビア(反同性愛言説)をネット上に流布するbotアカウント群は、ツイッター上で流行っている模様。
腐向けマナー啓発の体裁で、ホモフォビアを流布する素敵なbotアカウント群、ぜひ、お楽しみいただきたい。