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トルコ飛び地の兵士救出=「イスラム国」が包囲―シリア

時事通信 2月22日(日)14時13分配信

 【エルサレム時事】トルコからの報道によると、同国軍は22日、シリア北部にあるトルコの飛び地「スレイマン・シャーの墓」を警備していた兵士約40人を救出した。過激派組織「イスラム国」に包囲されたと伝えられていた。軍の説明では、作戦中に同組織との衝突はなかったが、「事故」で兵士1人が死亡した。
 ダウトオール首相と軍高官らが20日、首都アンカラで会議を開き救出作戦を決定。21日夜に同地へ進軍した。イスラム国が基地として使わないよう霊廟(れいびょう)の建物は爆破し、遺物はシリア北部の別のトルコ軍支配地域に移すため回収したという。
 作戦には戦車や軍用車両など約100台と兵士600人が参加。クルド人治安部隊が1月に奪還したシリア北部アインアルアラブ(クルド名コバニ)を通って進攻した。作戦はスレイマンの墓と、遺物の移動先の2カ所で同時に行われたとされる。
 ダウトオール首相は作戦について、国際法や国会で認められた権利を行使したと強調した。作戦開始後、シリア反体制派や、イスラム国掃討作戦に参加する有志連合に通知したという。
 トルコ国境から約30キロにあるスレイマン・シャーの墓は国際法上、トルコ領と見なされている。トルコ国会は、同地周辺にイスラム国が迫っていた2014年10月、トルコ軍によるシリア、イラクでの越境軍事作戦を承認していた。
 北大西洋条約機構(NATO)加盟国のトルコは、有志連合への参加が期待されていたが、イスラム国対応では中立的な立場を維持している。 

最終更新:2月22日(日)19時13分

時事通信

 

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