最近、嫁の様子がおかしい。どうおかしいのか?どこがおかしいのか?言葉にうまく言い表すことが出来ないがおかしいのだ。こんなクソ野郎を旦那として選ぶ位なので最初からおかしいという説もあるがそこは一旦棚上げしておく。
こういうときはきっと何かを僕に伝えたいけどなかなか言い出せないそういうときだ。そう、小学生児童がトイレを我慢して漏らすように。いや小学生児童だけではない大人でも問題だ。 トイレ行く?そう言うと「違う。」と返事。それもそうだ。ここは我が家だ。トイレはある。その状況で自宅のトイレに行けないとかそれはゴキブリがいるとかそういう状況ではないか?そう思いトイレにゴキブリいるの?そう聞いても違うと言う。「では、何なんだい?」と聞くと
「欲しいものがある。」
女性がこういうことを言うときは大体ブランド品か高額な何かである。
指輪、鞄、アクセサリー。
大体のものは言われてきた。そして、それに応えてきた。そう、モテるために。
あと残っているのは「あなたの子が欲しい」位だろう。
ましてや嫁、最愛の妻である。
結婚して2年。そろそろ、子供が欲しいフラグが立っても良いんじゃないか?
子作りフラグを立てても良いんじゃないか?あとは起たない僕のウルトラストライク問題を解決する。それで万事解決だ。そう思いズボンを下ろす。
その時、
「家が欲しい。」
我が耳を僕は疑った。家である。ここはどこだ?家である。家があるのに家を買う。フィギアを観賞用、保存用、遊ぶ用の3種類買うのと額も違う。とりあえず平生を装い理由を聞く。どうやら賃貸の我が家の家賃がどぶに捨てるようで嫌だ。勿体ない。そう彼女は思っているようだ。そして、彼女の推している物件はひいき目に見てもお得だった。彼女は2年間のピンクチラシと一緒に投函される不動産のチラシをマンションのポスト横に置かれているゴミ箱に捨てず全て持ち帰りスクラップしていた。その、膨大なビッグデータから導かれた答えが「買い。」であったと言うことらしい。確かにスペック値は申し分ない。しかし、スペックだけでは推し量ることが出来ない部分というものもある。そう、某PCショップのオリジナルPCのように!電源などのスペックが表に一般的に書かれない部分に手抜きがあるのではないかと疑いたくなる気分だ。
とりあえず、オープンハウスに一緒に行って欲しい。そう言われるがままに仕事後の
体にむち打ちオープンハウスへ。足取りは思い。イングレスで現地に赴くのが基本というイズムが染み込まれていなかったら僕はオープンハウスへも行かなかっただろう。不動産の営業も大変だ。こんな時間にいくら仕事とはいえあまり乗り気でない旦那の見学に付き合うなんて。ファームに補給目的で行ったら敵エージェントに焼かれた後のような絶望感を味わうことになるのに。そう思いながら部屋に行く。新築だけあり良い部屋だ。南側?角部屋?そんなことは嫁にとっては大事な要素だがしかし、それは僕にとっては誤差範囲だ。いや、勘違いしないで欲しい。僕に来るまでに嫁のスクリーニングに引っかかっているはずだ。つまり、そこは無視して良い。ではどこに僕が拘るべきポイントはどこか?住居自体は嫁が良いと行った間取りである以上そこに不満はない。
ふと、嫁が必死に内装を見ている。営業マンもそっちにつきっきり、手持ちぶさたになりスキャナーを開く。ポータルが入る。しかも、2つ。色は?緑。レベルは8。GPSは。概ね安定。補給として完璧ではないか。
いいじゃない。そう思った。世界よコレがイングレス脳だ。エージェントである以上いつかは夢見る自宅ポータル。それが手に入る。リアル課金だが、これは家庭というポータルを守るために必要な経費である。
しかし、借金、ローン童貞な僕は少し及び腰だ。そして、見積もりをインテルマップを見るかのように真剣に見つめる日々が始まった。借金しかも多額。年収何年分。最大の買い物は給料3ヶ月分の婚約指輪が最大だった。コレを自分の決定で買って良いのか?親に連帯保証人になってもらう必要は無いのか?など様々な不安がある。ローンは35年。ローンを完済するのが先かA16なるのが先か?という問いを自分に問いかけてみる。ローン完済はA16になってからになりそうだ。借金を返すことはこつこつポイントを積み重ねるイングレスの実績ににている。多分全然違うけど。
2ちゃんねるの賃貸と購入スレを以前も穴があくほど読み込んだが結局僕はどちらが良いか分からなかった。まるで、青と緑。それぞれに正義がある。では僕の正義は何か?間違いなく妻の機嫌とポータルである。
買うことは色々な状況を鑑みて決まった。あとは親に同意を得ることである。完全に自己資金で行う予定だが一応報告は必要である。よく考えたら結婚時ソーシャルゲームの廃課金として全額つぎ込み貯金0円であった僕がイングレスと出会い。ソーシャルゲームにお金を使わなくなり家計が気がつけば健全化し、頭金を用意出来る余裕が出ていた事はこのゲームのおかげだろう。それを話、完全に自己資金で親の援助を受けずにやりたいと言うと親は思ったよりすんなり同意してくれた。
そして僕は申請書にサインをした。
あとは不動産屋を緑エージェントとして勧誘することを残すだけだ。