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上場企業2,316社の平均年間給与 平均604万4000円

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公開日付:2014.11.13

 上場企業2,316社の2014年3月期決算の平均年間給与は604万4,000円(前年比5万8,000円増)だった。調査を開始した2010年3月期以降、4年連続で増え、初めて平均年間給与が600万円を超えた。業種別では、円安や株価の上昇で銀行、証券会社を中心に好業績を反映し金融・保険業が前年比3.1%増と最も高かった。一方で、原発停止の影響から電力業の平均年間給与の減少率が大きく、電気・ガス業が同6.3%減と、唯一減少し、業種により明暗を分けた。上位50社を業種別でみると、テレビ局など放送関連を含む運輸・情報通信業(13社)、証券・保険・銀行の金融・保険業(11社)、総合商社などを含む卸売業(8社)で約6割を占めた。一方、建設業、小売業は1,000万円以上の企業が1社もなく、業種間で格差が生じている。
 安倍政権は賃金アップの方向性を打ち出している。しかし、人手不足から人材確保のため人件費アップ、円安による原材料、資材高などコストアップが企業収益に大きな影響を及ぼす懸念も出てきた。業種を問わず、「利益を伴う成長」が給与水準の上昇の大きなカギとなってくる。


  • 本調査は、2014年3月期決算の全証券取引所の上場企業を対象に有価証券報告書の「従業員の状況」から平均年間給与を抽出した。2010年3月期決算から比較可能な企業を対象にし、変則決算企業は除いた。業種分類は証券コード協議会の定めに準じた。

上場企業2316社の平均年間給与推移

平均年間給与の「増加企業」は1,451社 前年より231社増加

 上場企業2,316社のうち、平均年間給与が前年より増えたのは1,451社(構成比62.6%、前年1,220社)、減少が855社(同36.9%、同1,085社)、横ばいが10社(同0.4%、同11社)だった。  平均年間給与が「増加した企業」は前年より231社(18.9%)増加し、構成比は前年の52.6%から10.0ポイントアップした。大手企業を中心とした業績好転が牽引し、平均年間給与を押し上げた格好となった。一方、平均年間給与が減少した855社のうち、445社(構成比52.0%)は従業員を増加させた。人材採用を積極的に行ったことで、平均年間給与が下がったとみられる。

上場企業2316社の平均年間給与 前年比増減

平均年間給与の増減率 0~10%未満の増加が大半

 上場企業2,316社の平均年間給与の増減率分布では、増加率10.0%未満が1,352社(構成比58.3%、前年1,136社)で最多。次いで、減少率10.0%以下が793社(同34.2%、同1,004社)、増加率10.0%以上が109社(同4.7%、同95社)、減少率10.0%超が62社(同2.6%、同81社)の順。
 業績好転に伴い平均年間給与は増加しているが、増加率は10.0%未満が大半と、増加幅は僅かにとどまっている。

上場企業2316社の平均年間給与 前年比増減率

業種別 電気が大幅減で、電気・ガス業の減少率を押し上げ

 業種別で平均年間給与が最も高かったのは、金融・保険業の693万9,000円で、最も低かったのは小売業の496万7,000円だった。
 増減率では、金融・保険業が前年より3.1%増と最も大きかった。円高から円安への為替相場の変動、株価上昇により銀行・証券を中心に平均年間給与を押し上げた。一方、電気・ガス業(18社)が前年比6.3%減と唯一、前年を下回った。特に電力業では、原発停止が大きく響き、東京電力(前年比10.4%増)を除く10電気会社が前年を下回って前年比8.6%減となり、電気・ガス業の減少率を拡大させた。福島第一原子力発電所事故の復旧と賠償のために、政府が公的資金を導入した東京電力が684万4,000円で、2年ぶりに前年(619万6,000円)を上回った。震災以降、給与カットを行っていたが、年俸制を導入したことで平均年間給与が増加した。

上場企業2316社の業種別平均年間給与

金額別では1,000万円以上が43社 全体の1.8%にとどまる

 平均年間給与の上位3社は、トップがフジサンケイグループの事業を統括する純粋持株会社のフジ・メディア・ホールディングスの1,506万円。2位が東京放送ホールディングスの1,499万円、3位が野村ホールディングスの1,488万2,000円の順。上位10位までに、放送は純粋持株会社や準キー局が5社、大手商社も伊藤忠商事1,383万5,000円、三菱商事1,355万2,000円がランクイン。また、前年17位だったM&A仲介企業の日本M&Aセンターが1,412万円で、6位に大幅にランクアップした。
 前年比較の増加率が最も高かったのは、投資業のアジア・アライアンス・ホールディングスの60.5%増(486万3,000円→780万8,000円)。2位が2013年5月に事業再生ADRを申請した劇場運営の御園座の57.2%増(350万9,000円→551万8,000円)。3位が医薬品などの研究開発を行うナノキャリアの46.3%増(440万7,000円→644万9,000円)の順だった。
 平均年間給与の金額別では、1,000万円以上が43社、700万円以上1,000万円未満が411社、600万円以上700万円未満が609社、500万円以上600万円未満が735社、500万円未満が518社。600万円未満の構成比が54.1%を占めた。なお、最高金額のフジ・メディア・ホールディングスと最低となった企業の平均年間給与は5.6倍の開きがあった。

上場企業2316社の平均年間給与ランキング

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