「ニコニコ市場」が活況、ネット動画とユーザーのセンスが生み出す新しいニーズとは
大ブレイク中のニコニコ動画ではじまった「ニコニコ市場(仮)」は、会員がアマゾンの商品を動画再生画面の下に貼り付けることができるシンプルなサービス。アマゾンのアソシエイトプログラムを導入しただけといえばそれまでだが、これがユーザーの遊び心を刺激したようで、意外な商品が売れている。
ニワンゴが運営する「ニコニコ動画(RC)」で7月12日から始まった「ニコニコ市場(仮)」が、早くも活況を呈している。好きな動画にアマゾンの商品を自由に貼り付けるだけのサービスだが、遊び心のあるユーザーよって新たな商品需要が生まれている。
再生している動画に字幕コメントを付けて楽しむ「ニコニコ動画(RC)」の動画再生画面の下は、これまではただの空きスペースとなっていた。「ニコニコ市場(仮)」は、このスペースにアマゾンの取扱商品の写真とリンクを簡単に貼り付けられるシステム。「市場」といっても、巨大なオンラインマーケットを立ち上げるのとは異なり、「なんとなく空き地に商品を並べてみた」といったあっさりした風情だ。商品を貼り付けることができるのは、現在は有料のプレミアム会員のみだが、無料の一般会員の購入は自由。投稿されたアニメ動画の下に、その作品のDVDを貼り付ければ、動画を見て気に入ったユーザーが商品をクリックして、アマゾンでDVDを購入することができる。著作権者の許可なく投稿される動画が多いことから動画投稿サイトへの風当たりは強いが、「ニコニコ市場(仮)」は動画視聴を著作権者の利益還元につなげる試みにもなっている。
しかし、人気があるのはプロがつくった作品ばかりではない。ニコニコ動画にはユーザーがつくったオリジナル動画も多くアップされているが、そうした動画にも思いがけない商品が貼り付けられ、しかも売れているようだ。たとえば、自宅でさまざまな料理をつくって食べるまでを録画した「ニコニコキッチン」というシリーズ作品の場合、最後の食卓のシーンに登場するゆらゆら揺れる植物のオモチャに目をつけたユーザーがさっそく貼り付けたところ、開発者ブログで発表されるニコニコ市場ランキングの20位に食い込んだ。
動画の投稿者本人でなくても商品を貼り付けることができることから、一時はおもしろがっていろんな商品が貼り付けられたが、現在は動画投稿者が商品を選択する権限が与えられている。「ニコニコ市場(仮)」 のサービスを始めてから最高の売れ行きを記録した7月22日(日)付けの売れ行きランキングによると、1日で3,200件の商品が売れたという。ランキングのほとんどは、DVDやマンガが占めるが、中には「なぜこれが?」という意外な商品もあり、それも番外編として発表され、ランキングのお楽しみとなっている。
追記(7月27日):7月25日に、ニコニコ動画で売れた商品のデイリーランキングを紹介する「ニコニコ市場(仮)ランキング」とニコニコ動画のおすすめ商品などを紹介する「ニコニコ市場(仮)ブログ」が開設された。
プレスリリース:「「ニコニコ動画(RC)」に、動画に関連する商品を検索し、動画視聴画面に陳列、購入できる「ニコニコ市場(仮)」が登場 」(PDF)
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