4月末に訪米する日本の安倍晋三首相は、米議会の上院と下院が合同で行う「米議会両院合同会議」で演説することに強い意欲を見せている。なぜなら、この演説は外国首脳に対する米国の最高待遇と言われているからだ。軍事同盟まで結んでいる日米関係を考えれば難しいことではなさそうだが、実はそうではない。
これまで米議会の演壇に立った日本の首相は3人いる。反対の声を押し切って日米安保条約を実現させた吉田茂首相(1954年)=当時、以下同じ=、新安保条約を実現させた岸信介首相(57年)が上院、政治色がほとんどなかった池田勇人(61年)首相が下院を訪れ、それぞれあいさつ程度の演説をしただけだ。
米議会は戦後70年間に日本の首相を一度も両院合同会議の演壇に立たせていない。日本と同じく米国と戦争をしたドイツの首相が合同会議で戦後5回演説をしているのとは対照的だ。韓国では李承晩(イ・スンマン、1954年)、盧泰愚(ノ・テウ、89年)、金泳三(キム・ヨンサム、95年)、金大中(キム・デジュン、98年)、李明博(イ・ミョンバク、2011年)、朴槿恵(パク・クンヘ、13年)の各大統領が両院合同会議で演説をしている。
日本の首相が合同会議で演説の機会を得られなかったのは、頻繁な交代で自らの権威をそいでしまっているのも一因だ。しかし、小泉純一郎首相が演説実施を強く推進した06年のケースを見ると、米議会が日本に対応する際の基準がどのようなものかが分かる。当時の日米関係は「戦後最も良い」と言われていた。日本が米国によるイラク戦争を全面的に支援し、ブッシュ大統領と小泉首相は非常に親密だった。