工事遅れ担当者「時間稼ぎに」建設中ビルに放火
2015年2月22日6時0分 スポーツ報知
福岡県警中央署は21日、建設中のビルを燃やそうとしたとして、現住建造物等放火未遂の疑いで、福岡市博多区の会社員・前田宏太容疑者(31)を逮捕した。容疑者は、このビルの設備工事を担当していたが、工程が遅れており「(燃やして)工事がストップすれば、自分の時間稼ぎができる」と、動機を供述している。
同署によると、前田容疑者は2日午前2時15分ごろ、同市中央区薬院3丁目に建設中の福岡銀行薬院支店のビル工事現場にあるプラスチック製フェンス周辺に油類をまき、ライターで火を付けてビルを焼損しようとした疑い。フェンスが燃えているのを通行人が発見し、警備員が消火器で火を消し止めた。壁の一部などが焼けたが、ビル本体に被害はなかった。
同支店は、13年1月から建て替え工事を行っており、現在は現場から400メートルほど離れた仮店舗で営業中だった。
前田容疑者は、この建設工事を受注した業者の孫請け会社に勤務。水道やガス管の設備工事を担当していたが、進行が遅れていた。火事を起こし、自分の“失態”を隠そうとしていたようだ。
昨夏にも火事 同工事現場では、昨年7月にも火事があった。この際にはビルの一部が燃え、消防車が多数出動する騒ぎとなっていた。銀行側は当時、「建物内の電気設備からの出火が原因」と発表していたが、同署では今回の事件との関連を調べている。
同支店は当初、昨年8月の営業開始を予定していたが、7月の火事のために仮店舗から新店舗への移転を延期。今年4月に開業することを明らかにしていた。