山崎聡、池田良
2015年2月22日00時31分
長崎市の沖合に浮かぶ軍艦島(正式名・端島)。炭鉱の閉山後、約40年間無人となっている「廃虚の島」だが、近年、独特の外観が映画のロケ地や観光スポットとして人気を集め、この夏はユネスコ世界文化遺産登録に期待がかかる。一方で島のシルエットを形作る建物群は刻々と崩壊しつつあり、保存への模索が続く。市の許可を得て、普段は立ち入り禁止の区域に入った。
近代日本の産業を支えた炭鉱の島はいま、どうなっているのか。4日朝、長崎市の許可を得て、軍艦島で建物の劣化状況や補強手段を探る大学の研究グループに同行した。
暗い鉱員社宅に足を踏み入れると、天井や壁がはがれ、床や階段に散乱していた。高層階の柵はほぼ朽ち果て、屋上の庭園は草が生い茂っていた。
この島には日本最古の鉄筋コンクリートアパートがある。築99年。劣化が進み危険なので上層階に上れない。吹き抜けから四角く曇り空が見えた。
かつての小中学校は基礎がむき出しになって海水にさらされ、芝浦工業大の浜崎仁准教授(コンクリート工学)は「倒壊は時間の問題だ」と漏らした。
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