サザビーがイケてるブランドと組めるワケ

創業者が語る「有力ブランドを射止める秘訣」

サザビー創業者の鈴木陸三氏。海外の有力ブランドを射止める秘訣を語った(撮影:大澤誠)
仏ファッションブランド「アニエス べー」や米「スターバックスコーヒー」に始まり、米西海岸のセレブショップ「ロンハーマン」、スペインの靴ブランド「カンペール」、デンマークの雑貨店「フライングタイガー」など、30以上の人気ブランドを日本で展開するサザビーリーグ。
クールな海外ブランドが日本に進出する影には、いつもサザビーがいる。そして今度は米ニューヨークで人気のハンバーガー店「シェイク・シャック」とも日本国内における独占契約を交わし、アジア初の出店を取り付けた。いったいサザビーとは何者なのか。
創業は1972年。ヨーロッパのユーズド家具の輸入販売から始まった。主力業態の「アフターヌーンティー」など自社ブランドに加え、海外ブランドを数多く扱い、年商は900億円を超す。日本の小売業の中で異彩を放つサザビーリーグ。創業者の鈴木陸三会長を直撃した。

 

――なぜ海外のハイセンスなブランドと次々に契約することができるのでしょうか。

Word of mouth(口コミ)だ。このインフラを作ってきた。たとえば、スタバの成功で、サザビーは「日本のマーケットをよく”かみ砕いて”やってくれる」といった評判が広がると、ほかからも声がかかるようになる。そして、「日本に進出するなら、サザビーに相談しよう」となってきている。

日本のマーケットが世界3位に落ちたとはいえ、小さい国でこれだけの大きな経済が成り立つのは、小売りにとってもチャンスが多いにある。だが、その攻略が難しい。日本で受け入れられれば、だいたい世界で受ける。デザイン、クオリティ、いろんな意味で日本人はなかなかシビア消費者だ。

五分五分が基本

欧米ブランドにちょっと熱狂するところもあるが、簡単に入りやすいようで実は難しい。日本に入るには、そのマーケットの活性化を知っているinterpreter(通訳者)が必要なのだ。それがわれわれだ。

相手先とはメソッドとして五分五分を基本としている。勝ったときに一緒に喜べるからだ。ブランドはわれわれのものではない。繰り返しになるが、われわれはあくまでも日本に伝える”通訳者”でしかない。

だから、これまでにM&Aはしていない。ファンドから買うのではなく、相手方の責任者に会って気持ちが合うことが重要だ。企業のキャラクターとして外国人と同じスピリットで会話できるということも強みだ。

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