金星探査機「あかつき」:12月7日、周回軌道に再投入
毎日新聞 2015年02月06日 19時50分(最終更新 02月06日 23時43分)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6日、金星探査機「あかつき」を今年12月7日に金星周回軌道に投入する計画を発表した。あかつきは2010年、主エンジンの故障で軌道投入に失敗。今回は姿勢制御用の小型エンジンを使って再挑戦する。成功すれば、地球以外の惑星を回る日本初の探査機になる。
あかつきは金星の大気循環などを観測し、気候変動の解明を目指す。JAXAによると、あかつきは現在、太陽を199日で1周する軌道上にいる。太陽を約1周半した後、金星に最接近する12月7日、姿勢制御用の小型エンジン4基を噴射してブレーキをかけ、金星を回る軌道に入る。
小型エンジン4基の出力は主エンジンの2割程度しかないため、当初の計画(1周30時間)より大回りの1周8・7日の楕円(だえん)軌道に投入される。新たな軌道では、高解像度の画像を撮影できる機会は減るが、金星の全体像を1週間連続して観測できるという。
既に5年間太陽を周回しているため、熱による機器の劣化などの懸念がある。また推進薬は打ち上げ時の3割しか残っておらず、今回が軌道投入の最後のチャンスになるという。石井信明・JAXA宇宙科学研究所教授は「現在の機器の状態から見れば、軌道投入は成功すると考えている」と話す。【大場あい】