基礎的財政収支:「20年度9兆円台の赤字」内閣府が試算
毎日新聞 2015年02月06日 06時30分
財政健全化の指標として、国と地方自治体が新たな借金をしないで社会保障費などの政策経費をどれだけ賄えているかを示す基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)が2020年度に9兆円台の赤字になるとの試算を内閣府がまとめたことが5日分かった。最近の税収増や歳出抑制で昨年7月の試算(11兆円の赤字)から改善する。ただ、政府は20年度にPBを黒字化する目標を掲げており、さらなる歳出・歳入改革が不可欠となる。
12日にも開催する経済財政諮問会議で報告する。政府は15年度のPB赤字の対国内総生産(GDP)比を10年度(6.6%)から半減させる目標も掲げている。内閣府は赤字半減目標は達成できるとの試算も示す見込み。
20年度に9兆円台の赤字になるとの試算は、消費税率を10%に引き上げ、一定の経済成長を実現することが前提。このため政府内では「経済状況によって赤字がさらに膨らむ」との懸念は根強い。政府は今夏までに黒字化目標の達成に向けた計画を策定する方針で、社会保障費など歳出の効率化や税制の抜本改革が改めて課題になる。【小倉祥徳】