原料高騰:乳製品が続々と値上げ…各社「努力は限界に」

毎日新聞 2015年02月03日 19時58分(最終更新 02月03日 23時28分)

3〜4月に予定される主な乳製品の値上げ
3〜4月に予定される主な乳製品の値上げ

 牛乳やヨーグルトなど乳製品の出荷価格が相次いで引き上げられる。生乳の価格上昇に加え、円安などを背景に輸入原材料や包装資材の価格が上がっていることが主因。小売価格へ反映されれば家計にも響きそうだ。

 乳業最大手で明治ホールディングス傘下の明治は4月1日出荷分から、牛乳やヨーグルト、乳飲料など54品目を値上げする。このうち「明治おいしい牛乳」など牛乳11品は約2〜5%の引き上げとなる。牛乳の値上げは2013年10月以来、約1年半ぶり。ヨーグルト30品は希望小売価格を3〜10円上げ、「明治ブルガリアヨーグルトLB81プレーン」(450グラム)は250円が260円になる。ヨーグルトの値上げは09年3月以来、約6年ぶりだ。

 値上げの背景には、生乳価格の上昇がある。飼料価格などの高騰で国内の酪農家の経営が厳しさを増す中、生産者の高齢化や離農で生乳生産量の減少が続いている。

 こうした状況を踏まえ、北海道などの生産者団体と乳業メーカー各社は、4月1日から生乳取引価格を引き上げることで合意した。「乳価上昇に加え、円安で海外から輸入する乳原料や包装資材、物流費も上がった。コスト吸収の努力を続けてきたが、限界を超えており、価格転嫁せざるを得ない」(明治)という。

 森永乳業も3月9日出荷分から牛乳やヨーグルトを中心に55品の値上げや内容量の減量を順次、実施する。「森永牛乳」(1リットル入り)など牛乳6品は4月1日から出荷価格を約2〜4%引き上げ。ヨーグルト12品は希望小売価格を5〜10円アップし、「森永アロエヨーグルト」(118グラム)は120円から125円になる。ヨーグルト4品については、価格を据え置いたまま内容量を5〜50グラム(3.6〜11.1%)減らし、事実上値上げする。「クリープ」や「森永ミルク(缶入り)」も値上げの対象になる。

 乳製品では昨年夏以降、生乳生産量の減少を受けてバターやチーズが値上げされた。ただ、値上げ後、客離れを嫌った小売り側が価格を引き下げたケースもあった。

 このほか、アイスクリームも明治や江崎グリコ、森永製菓、ロッテアイスなど大手メーカー各社が乳原料やチョコレート、包装資材の価格上昇を受け、3月出荷分から出荷価格を値上げする方針を発表している。【柳原美砂子】

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