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PR 2015/02/10
肥満は生活習慣病のリスクを高め、心筋梗塞や脳卒中など、死につながるおそろしい病気を招く「万病のもと」だ。しかし最近の研究結果から、肥満より危ないのは「運動不足」だということがわかった。
英ケンブリッジ大学の研究チームは運動と死亡リスク、および肥満との関係を探るため、12年間にわたってヨーロッパの334,161人の男女を対象に調査をした。研究チームは参加者の身長、体重、腹囲を測定し、BMI値(肥満度)を算出。BMI値が18.5~25未満の人は標準体重、25以上30未満は過体重、30以上は肥満とした。また、日常生活でどのくらい運動をしているかを調べたうえで、参加者を「運動している」「そこそこ運動している」「あまり運動しない」「運動しない」の4つのグループに分類した。そのうち「運動しない(座り仕事が中心で、休日にもほとんど体を動かさない)」人は22.7%だった。
研究者らは、1日20分の早歩き(消費カロリー90~110kcalに相当)をすると、「あまり運動しない」もしくは「運動しない」人々の死亡リスクが16~30%減少すると見ている。また、「運動しない」グループが、「あまり運動しない」レベルになるだけで、死亡数は7.35%減少すると推定している。
一方、肥満の人のBMI値を下げることによる死亡数の減少は3.66%にとどまるというから、その差は2倍。肥満よりも運動不足の方が深刻だということがわかる。
これを2008年のヨーロッパにおける死亡者に当てはめて分析したところ、死亡した920万人のうち、肥満が原因で亡くなったと考えられるのは337,000人であるのに対し、運動しないことが原因と考えられるのは、その約2倍にあたる676,000人にのぼったという。
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