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【自民党は変わったか】
息吹き返す建設・道路族 公共事業費2年連続増へ「必要なものは必要だ」
政府の経済財政諮問会議の民間議員が公共事業費抑制を求めると、建設省(現国土交通省)出身の脇雅史参院幹事長らがすかさず反論するなど、圧力をかけてきた。26年度予算は2年連続増額で、今年度比2千億円増える見通しだ。
建設・道路族のルーツは、「日本列島改造論」をぶち上げ、道路特定財源を議員立法で成立させた田中角栄元首相に行き着く。
二階氏は、旧田中派やその流れをくむ旧竹下派に所属していた。「ふるさと創生」事業の竹下登元首相や「道路をつくらないとダメだ」が口癖の金丸信元副総裁が地方の陳情に手厚く対応した手法を熟知してきた。同時に、道路建設が利益誘導の温床と批判された経験から、「必要な公共事業」と強調する。
ただ、自民党内には二階氏らの動きに目を光らせる新勢力も現れた。河野太郎氏ら「無駄撲滅プロジェクトチーム」だ。国交省幹部に道路建設の優先順位が曖昧な点を「ブラックボックス」と指弾、切り込む構えも見せている。