農協改革で、監査は変わらない

農協が1954年の発足以来、60年ぶりの改革をします。

全国農業協同組合中央会(JA全中)から監査の権限を無くすという。

きっと、何も変わらないですよ。

 

日本の農業のトップの立場にあるJA全中から

監査・指導権を廃止するそうです。

全国約700への地域農協への監査は

企業と同じように監査法人が実施することになる。

 

 JA全中と地域農協という内部者同士での監査が

外部監査に切り替わることで、

透明性の高い農協活動が行われていく。

 

とは、思えません。

現在、農協を監査しているJA全中の監査部門には

公認会計士30人と農協監査士340人程度がいるそうです。

 

監査法人の設立には公認会計士が5人いればよい。

恐らく、現在の監査部門が実質的な「農協監査法人」となるでしょう。

 

今までと、同じ人間が名前を変えて同じ仕事をするだけです。

何も変わらないですよね。

 

当面は、「農協監査法人」が農協を監査するのでしょう。

ただ、現在の農協監査法人で働く人々が

定年退職することに、

企業を監査している大手監査法人が監査を担い、

少しずつ農協も企業レベルの透明性を持ってくのでしょう。

 

農協改革は、穏やかな農協変化に落ち着きそうです。

 

 

ところで、「農協監査士」 なんていう資格があったんですね。

JA全中が資格試験を実施しているようです。

受験科目は監査、会計、簿記、農協制度、法律と

公認会計士の試験に農協の要素を足したものになっています。

 

平成26年度の試験結果を見ると、

受験者が522人で合格者が101人。

合格率は19%。

 

 なんとも受験者数の少ない試験です。

会計士試験であれば、受験者は1万人を超えます。

 

「農協の監査はプロの農協監査士しかできない」

そんな発言もあるようです。

そうですか、そんなに農協の監査には専門性が必要ですか。

財務諸表の知識に加えて、農協専門の知識も必要ですか。 

 

じゃあ、もっと農協監査士のレベルを高めましょう。

農協監査士の受験資格に、

公認会計士であること、と付ければいいですよね。

1人がイイネ!と言っています。

The following two tabs change content below.
kaikei のプロフィール写真

kaikei

大手監査法人に勤務する公認会計士。メディアの誤解を解くのが趣味。

Leave a Comment