福島のニュース
  • 記事を印刷

<常磐道>3月1日開通の富岡−浪江間公開

道路脇に設置された線量表示板。公開時は毎時5.5マイクロシーベルトを示した

 3月1日に全線開通する常磐自動車道の最終開通区間、常磐富岡−浪江インターチェンジ(IC)間14.3キロが17日、報道機関に公開された。東京電力福島第1原発が立地する福島県双葉、大熊両町を貫き、8.8キロは原発事故の影響で放射線量が高い帰還困難区域を走る。
 東日本高速道路によると、同区間の開通で、いわき中央−仙台東部道路仙台東IC間の所要時間は約20分間短縮され、約2時間となる見込み。
 福島第1原発との距離は最も近くで約6キロ。昨年12月に開通した浪江−南相馬IC間と同様に帰還困難区域を含むため、区間内に3カ所計6基の線量表示板を置く。
 空間線量が最も高い双葉町上羽鳥は、13年10月の工事再開時に毎時31マイクロシーベルトあった。除染や舗装、路肩のコンクリートを厚くする措置で、公開時は毎時5.5マイクロシーベルトだった。
 内閣府によると、常磐富岡−浪江間の走行時の被ばく量は時速70キロの車内で0.2マイクロシーベルト、オートバイで0.24マイクロシーベルト。胸部エックス線検査1回分の約300分の1から約240分の1の水準。車外に1時間いた場合、最高5.5マイクロシーベルト程度で約10分の1になる。
 線量が高いため事故防止に配慮。路面に居眠り防止の注意喚起溝をつけ、センターポールの太さを通常の2倍にした。イノシシなどの侵入を防ぐ防護柵も設置。17日は地元消防が参加し、事故を想定した救出訓練をした。
 同区間は2011年度中に開通予定だったが、東日本大震災と原発事故で大幅に遅れた。


2015年02月18日水曜日

先頭に戻る