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街の魅力向上に オープンデータ活用のアプリを開発/川崎

 自治体の「オープンデータ」を活用して地域の課題解決や魅力向上につなげるイベントが20日、川崎市宮前区宮前平の区役所で開かれた。研究者や町づくりに関わる市民、地元事業者らが集まり、スポーツや観光スポットに関する地理情報の活用法を検証。スマートフォンのアプリ開発などに向けた課題を探った。

 オープンデータは自治体が所有する情報を二次利用できるように公開する取り組み。今回は慶応大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科などが国土交通省の委託を受け、川崎市が所有する「地理空間オープンデータ」を活用したプロジェクトを昨年スタートさせた。

 この日は、発案したサービスの“タマゴ”を住民らが実際に体験し、使いやすさやニーズを見極めるため、プロジェクト進行中の9チームが集まった。

 ランニング愛好家やスポーツ選手をターゲットにしたアプリ開発チームは、区役所周辺の「坂スポット」を巡った。坂が多い宮前区をトレーニングの場として活用するのが狙いで、元アスリートらを連れ「勾配にメリハリがあるコースを知りたい」「汗を流せる銭湯の情報があるといい」などと改善点を探った。

 スマホを装着した自転車で実証実験を行ったのは、サイクリングを楽しむアプリを開発中のチーム。観光スポットや直売所の近くを通ると音声で情報が流れる仕組みで、利用者のニーズなどを話し合った。

 同研究科の神武直彦准教授は「すぐに実用化には至らなくても、このイベントでできたつながりから新しい課題解決サービスが生まれるといい」と話した。21日は市役所第4庁舎ホールで各サービスの発表会が公開される。午後0時半~同4時半。問い合わせは、同研究科電話045(564)2518。

【神奈川新聞】