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「指導社員の不正追及でフランチャイズ契約解除」 元オーナーがファミマ提訴へ
コンビニエンスストア大手、ファミリーマート(東京)加盟店の元オーナー男性(46)が、一方的にフランチャイズ(FC)契約を切られたのは不当とし、近くファミマに対し契約解除の無効確認や損害賠償を求める訴訟を起こす。男性側によると、ファミマ社員による経理上の不正処理を男性が見つけ、責任追及したことが契約解除の背景にあるという。
関係者によると、不正処理をしていたのは、平成26年5月まで東京都多摩地区で加盟店の指導にあたるスーパーバイザー(SV)職にあった男性社員。
この社員は担当する加盟店の在庫だったギフト券「クオカード」を持ち出し、帳簿上は別の加盟店の在庫に移すなどし、不正にクオカードを取得。損害分は加盟店側の「営業雑費」として計上し、店側に負担させていた。
不正に気づいた加盟店オーナーの指摘で、ファミマが調査を実施。この社員による不正処理で、6店に計55万9千円の被害が出ていたことが判明した。ファミマは店側に弁済したが、男性が経営する店以外の被害状況については説明していない。男性は「不正を全加盟店に説明し、過去にさかのぼって経済的実損を与えていないかを調査すべきだ」と訴えた。
ファミマ側は26年11月、男性が売り上げの一部を本部に送金しなかったことなどを理由に、FC契約解除を通告。男性が経営していた4店のうち1店を閉鎖し直営店にしたという。
男性側は店の内装費用などを負担しており、法的手続きを経ずに直営店とするのは不法占拠だと主張している。
ファミマの広報担当者は「SVの不正については謝罪し、被害弁済も済ませており、契約解除と不正行為に関係はない」と説明。SVについては「社内基準に従って厳正に処分した」としているが、具体的な処分内容は公表していない。