福田元首相:「国立追悼施設は必要」
毎日新聞 2015年02月20日 23時08分(最終更新 02月21日 00時01分)
福田康夫元首相は20日、毎日新聞のインタビューで「靖国神社を否定することはないが、(戦没者の)追悼が中心の施設。平和な将来を祈るのならば、別の場所がいい」と述べ、新たな無宗教の国立追悼祈念施設が必要との認識を改めて示した。
2001年の小泉純一郎首相(当時)による靖国神社参拝が外交問題化したのを受け、当時官房長官だった福田氏が設置した私的懇談会は02年12月、国立追悼施設が必要と提言した。福田氏は「いまだにその考えは生きている。国民が『(首相の靖国参拝の)何が悪い』みたいな意見ばかりになればまずい」と述べ、国民的な議論の必要性を訴えた。
◇70年談話に「過去の反省を」
安倍晋三首相が8月にも出す戦後70年談話について「過去の反省、戦後の歩みの評価、未来への展望の3点を入れないと意味がない。過去の反省なくして戦後の評価もしにくいし、重みがなくなる」と指摘。「過去の首相談話をしょっちゅう変えるようでは国家として信頼されない」と述べ、植民地支配へのおわびを盛り込んだ村山富市首相談話(1995年)など歴代首相の談話を踏襲すべきだとの考えを示した。【高山祐】