大阪府の中原徹教育長(44)が立川さおり教育委員(41)や職員に威圧的な発言を行ったと指摘された問題で、府教育委員会は20日、パワーハラスメント(パワハラ)に該当すると認定する第三者委員会の報告書を公表した。中原氏は「結果を重く受け止めるが、教育改革を進めたい」と述べ、教育長を続ける意向を示した。松井一郎知事は続投を支持した。

 報告書によると、中原氏は2013年5月~14年2月、施策の進め方に異論や慎重意見を示す4人の府教委事務局職員に対し、配置転換や解職をほのめかしたり大勢の前で叱責(しっせき)したりしたと認定。このうち1人は体調を崩して退職。別の1人には「精神構造の鑑定を受けないといけませんよ」と発言した。第三者委は「極めて不適切で人権侵害とも言うべきだ」と指摘した。また昨年10月、議会答弁の打ち合わせの席で、条例改正案に慎重な立川委員にちらつかせた罷免(ひめん)要求などを「パワハラと認定されても不合理とはいえない」とした。

 記者会見した中原氏は「教育改革を迅速に進めなければならないとの気負いがあった」と述べて謝罪した。松井知事は「反省してしっかりやってほしい」と報道陣に語った。