成果報酬の新労働制度法案を提出へ2月14日 4時18分
働いた時間ではなく成果で報酬を決める新たな労働制度について、13日開かれた厚生労働省の審議会が制度を創設すべきとする報告書を取りまとめました。
これを受けて厚生労働省は必要な法案を今の国会に提出することになりました。
この「高度プロフェッショナル制度」については労使が参加する厚生労働省の審議会で議論が進められ、13日、報告書が取りまとめられました。
それによりますと対象となるのは年収が1075万円以上、高い職業能力を持ち職務範囲が明確な人が想定され、働いた時間ではなく成果で報酬が決まるため残業代は支払われなくなります。
企業が制度を導入するには長時間労働を防ぐため労働時間に上限を設けるなどの新たな対策を取ることが条件とされています。
この制度については労働者側の委員が「過労死を招きかねない」などと強く反対していましたが、報告書では反対意見に触れたうえで新しい働き方を希望する労働者のニーズに応え、能力を発揮できるようにするため創設することが適当だとしています。
報告書について経営者側の委員は「高い専門性を持った人がより意欲と能力を発揮できる環境を作ることに資するもので、働き方の選択肢が増えたことを評価したい」と話していました。
一方、労働者側の委員は「新たな制度は成果だけが求められるため長時間労働を誘発する懸念があり、こうした報告書がとりまとめられたことは非常に残念で極めて遺憾だ」と話しています。
厚生労働省は、報告書を受けて新たな制度の創設を盛り込んだ労働基準法など必要な法律の改正案を今の国会に提出することになりましたが、制度への根強い反対があるなか、国会で激しい論戦になることが予想されます。