西川農相:「献金、問題なし」強調も…残る疑問
毎日新聞 2015年02月20日 12時50分(最終更新 02月20日 13時05分)
西川公也農相の政党支部が国の補助金を受けた企業などから献金を受けていた問題で、西川氏は19日の衆院予算委員会で「違法性の認識はない」と述べ、問題がないと強調した。だが、西川氏と企業、林野庁の対応や説明にはさまざまな疑問が残る。【杉本修作】
◇林野庁への取材内容が大臣官房に報告 本人に伝わる
西川氏の政党支部「自民党栃木県第2選挙区支部」は2012年9月、林野庁所管の森林整備加速化・林業再生事業で4カ月前に補助金交付が決定していた栃木県鹿沼市の木材加工会社から300万円の献金を受けた。政治資金規正法は国の補助金交付決定後1年は献金を禁じている。
毎日新聞がこの問題を取材した今年1月7日、相手は西川氏の事務所ではなく林野庁計画課だった。取材では西川氏のことにも触れたが、主に事業内容や木材加工会社の補助金取得状況を問い合わせるものだった。後で分かったが、林野庁はこのやりとりや記者名を文書にまとめ、大臣官房に報告していた。西川氏はこの取材の翌々日、300万円を返したというが、この時点では取材の意図は西川氏側には正確に伝わっていないはずだ。
◇木材加工会社社長ら「300万円返金」に触れず
その後の1月15日、記者は木材加工会社社長に話を聞いたが、社長は「献金に問題はない。政治資金規正法については知らない」と述べ、「返金」には一切触れなかった。2月3日夜に西川氏と政務秘書官に初めて面談した際も、返金の事実は語られなかった。「林野庁の取材を受け即座に返金した」のであれば、なぜこうした場で説明がなかったのか。
献金時に西川氏は落選していたが、この事業が創設された09年は現職議員で自民党の公的森林整備検討チーム座長も務め、事業を後押しする立場だった。
14年9月の農相就任後も事業の重要性を度々強調しており、「献金元が事業の補助金を受けていることを知らなかった」との説明にも不自然さは拭えない。