炭鉱記録集:山本作兵衛らの作品で石炭産業描く 平凡社
毎日新聞 2015年02月19日 17時42分
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産に認定された山本作兵衛(1892〜1984)の炭鉱記録画を中心に、石炭産業を描いた絵などを紹介する記録集「山本作兵衛と炭鉱(ヤマ)の記録」が平凡社から出版された。
山本作兵衛は15歳の時から約半世紀にわたって筑豊炭田など九州の炭鉱で鉱山労働者として働いてきた。本格的に絵筆をとったのは60歳を過ぎてからだったが、現場を知る者でしか描けない鉱山労働者の生き生きとした絵は多くの人の共感を呼び、2011年には世界記憶遺産にも指定された。
記録集には、山本作兵衛の作品60点のほか、炭鉱を記録した絵画や写真、ポスターなども収録し、日本の石炭産業をわかりやすく解説している。
同社は「絵画や写真、ポスターに写し取られた『炭鉱』は、私たちが見落としていた日本の姿を浮き彫りにしている。ぜひ手にとって見てほしい」と話している。価格は1836円、問い合わせは同社コロナ・ブックス編集部(03・3230・6584)まで。【米田堅持】