(田中山根)よいしょ〜。
(山根)さあ始まりました。
今日はですね「自然の中で生活する人間」という事なんですけどもその中でも今日は「火山」火の山と書いて火山を取り上げて我々の生活を考えていきたいんですけど。
火山って何かイメージあります?火山…。
火山は私の感覚だと少し遠い存在。
じゃあお二人に聞きますけど山といえば何ですか?山といえば。
山といえば富士山。
そうそう。
富士山でしょ?富士山っていうのは火山だって聞いた事ないですか?聞いた事あります。
あります。
あるでしょ?だから遠い存在といえども身近にある訳ですよ。
でもね別にそんな噴火もしてないしさ何か形がその…火山ぽいなっていうぐらいで。
とにかく噴火して活動しているのだけが火山じゃないんです。
ちょっと今日は勉強していきましょう。
はい。
はい。
火山の噴火で火口から飛び出すマグマ。
流れ出し固まったものは溶岩と呼ばれる。
噴火では同時に火山ガスや火山灰が地表に噴き出す。
これらの物質が積み重なって出来るのが火山だ。
実は日本最高峰の富士山もこうして出来上がった火山なのだ。
何度も噴火を繰り返し現在のような美しい姿が出来上がった。
マグマは地下の岩石が融けて出来た高温で液体状の物質の事。
マグマの発生や活動には大陸プレートの動きが深く関係している。
活火山とは…日本の火山は太平洋プレートやフィリピン海プレートが沈み込む境界から100から300km離れた大陸側に分布している。
海側のプレートは陸側のプレートの下に斜めに沈み込んでいる。
この海のプレートと陸のプレートの境目付近でマグマが発生する。
発生したマグマはその場にとどまらず上昇していく。
上昇したマグマは周りの岩石を融かしマグマだまりを作る。
このマグマだまりの圧力が何らかの原因で高まると地層を打ち破って地表に噴き出す。
これが噴火だ。
火山といえばどこの火山が思い浮かびますか?やっぱり富士山でしょ。
噴火してさあんなにきれいな形のもんてないじゃない。
うんうん。
やっぱり富士山じゃないかな。
阿蘇山も火山ですよね。
あ〜そうだね。
世界最大級のカルデラって習いました。
そうなんですよね。
火山にもいろいろな姿形の火山があるという事ですね。
それは何でだと思います?溶岩や火山灰が積もって火山になる訳だから…。
まあだからマグマだよね。
はいそうですね。
マグマですね。
火山の姿形はマグマの違いが決めるんですよ。
マグマの性質と火山の形の関係を見てみよう。
小麦粉に異なる量の水墨汁を混ぜ粘りけを変えたものを用意する。
それぞれがマグマの代わりだ。
板に穴を開けてビニール袋を固定しそれぞれを中に詰めるとマグマだまりの出来上がり。
板の上にきな粉を振りかける。
地表の代わりという訳だ。
マグマの違いっていうのはマグマの粘りけの事なんですね。
で粘りけの強さによってマグマが流れやすい場合と流れにくい場合があります。
うん。
これによって火山の形が違ってくる訳ですね。
ほう〜。
へえ〜。
さあじゃあ噴火させてみましょう。
まずはマグマの粘りけが強いものの方からいきたいと思います。
いきますよ〜。
マグマが噴き出すんだね。
う〜お〜。
お〜!何か膨らんできた。
すごい!どわ〜…。
あ〜。
アハハハ。
うわ〜。
すごい出てきた。
すごいね。
今からおよそ70年前火山の噴火で生まれたのが北海道の昭和新山だ。
僅か2年で標高およそ400mの山が出来た。
昭和新山のような火山は溶岩ドームと呼ばれる。
地上に出たマグマがあまり流れる事なく固まりこのような姿になった。
マグマの粘りけが強い時このような溶岩ドームが形づくられる。
じゃ今度はマグマの粘りけを弱くしたものをやってみましょう。
はい。
いきま〜す。
どわ〜。
あ〜。
あっあ〜。
あららら。
うわ〜どうですかこれは。
さらさら流れていきましたね。
はい。
粘りけの弱いマグマは広い範囲に広がる。
そのため裾野が広い火山になる。
これを盾状火山という。
ハワイのマウナロア山は代表的な盾状火山の一つだ。
マグマの流出と火山灰の噴出が交互に起こり繰り返し積み重なって出来るのが成層火山。
長野県と群馬県の両県にまたがる浅間山も成層火山の一つだ。
実は富士山は典型的な成層火山なのだ。
噴火が続き火山の中央部分が陥没したと考えられているのがカルデラだ。
熊本県の阿蘇山は世界でも有数の大型カルデラである。
カルデラに雨水などがたまると湖が出来る事がある。
カルデラ湖と呼ばれる。
あっいらっしゃいませ。
すいません。
こちらの温泉って何かイケメンになれる効能があるって聞いた…。
さようでございます。
やっぱしそうですか?はい。
いや〜よっしゃ〜。
マグマのパワーで出来た温泉でついにイケメンになるぞ!よしっ早速入ろう。
あっすいませんすいません。
お客様の場合はですねまずお顔の方をですねこちらの部屋で手術させて頂きます。
いや整形かい!はい…。
(2人)ジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャンガシャンガジャンガジャンガジャンガジャンガジャジャ〜ン。
やっぱり何だかんだ言っても日本は火山があるから温泉もあるよね。
それはありがたいよね。
うん。
火山の美しい景観も恵みの一つですよね。
確かにそうだよね。
日本は火山が多い分その火山地帯が分布する地域に温泉も多いっていうね。
うん。
うん。
火山地帯では地下深くから上昇してくるマグマによって地下水が熱せられる。
温泉だ。
日本に温泉が多いのは火山が多い事による。
昔からけがや病気を癒やす効果があるとされ私たちはその恵みを受けてきた。
地下のマグマの熱で発生した蒸気によって発電を行うのが地熱発電だ。
北ヨーロッパの島国アイスランドは多くの火山があり地熱発電が盛んに行われている。
発電所の近くには露天風呂が造られヨーロッパ各地から人々が訪れる。
アイスランドは再生エネルギー政策の先進国として世界から注目されている。
火山はその景観や温泉などで我々に恩恵を与えてくれるけども時として災害をもたらす事もありますよね。
うん。
マグマが火口から流れ下る溶岩流。
容易には止められず集落や森林などに壊滅的な被害を及ぼす事がある。
ガスや固形物質が斜面を下るのが火砕流だ。
温度は数百度。
速度は時速100キロを超える事がある。
噴火によって地上高く噴き出す噴煙は火山灰となって広がり飛行機の運航の障害になる事がある。
また広い範囲に降り注ぎ農作物に被害を与えるなど私たちの生活に大きな影響を与える。
じゃあ我々人間はどうしたらいいんですかね。
火山の災害を最小限にとどめる対策も行われてるんですよ。
どんな対策です?ハザードマップって聞いた事ないですか?あ〜何かある。
あります。
(サイレン)2000年3月31日北海道の有珠山が噴火した。
噴煙は上空3,500mに達し周囲に石や火山灰が降り注いだ。
この時住民を被害から守ったのがハザードマップ。
有珠山噴火の危険区域を予測しその範囲を地図にしたものである。
噴火が事前に予測された事で危険区域の住民たちはハザードマップに従って避難する事ができた。
火山の成り立ちや活動の研究が住民たちの命を守ったのだ。
今回は茨城県つくば市にある産業技術総合研究所を訪ねた。
お邪魔しま〜す。
ここで富士山の噴火の歴史を研究しているのが高田亮先生。
今日はよろしくお願いします。
高田先生は現在の富士山の活動だけではなくこれまでの噴火についても詳しく調べている。
富士山はこれまで何回噴火しているんですか?小さな噴火を入れますと大体100年に1回とすると1,000回ぐらいあるんです。
(岡野)えっ1,000回?はい。
今からおよそ10万年前巨大な噴火が起こり富士山は誕生した。
当時は今のような美しい姿ではなかった。
6,000年前ごろから山頂や山の中腹で噴火が起こる。
およそ4,000年前には現代の山頂部が形づくられた。
2,000年ほど前からは頂上ではなく中腹から噴火が続いた。
最後に噴火したのは300年前江戸時代の事だ。
当時の人々にとっては大事件だった。
噴火の様子を克明に記録した絵図が残っている。
噴火は16日間続いた。
富士山には今も当時の噴火の跡が残っている。
その後300年間富士山は静かなままの状態が続いている。
富士山の地下のマグマは今どうなってるんですか?富士山の地下のマグマは300年間たまり続けてる可能性があるんですね。
どうしてたまってると思いますか?えっ?富士山の地下のマグマがどうなっているか簡単な実験で説明してもらった。
透明な容器の中は固形のゼラチン。
そこに注射器の筒に入れたジュースを下から注入するという仕掛けだ。
ゼラチンが地球の内部ジュースがマグマの代わりだ。
(岡野)あっ。
(高田)割れ目が始まりました。
1回目の実験ではマグマはまっすぐ上昇。
そして噴出した。
2回目の実験では容器に力を加えた。
つまりマグマだまりの上にある地表に力を加えた訳だ。
するとマグマの方向が変わった。
90度向きを変えたり水平に曲がったりして地表には出てこなくなった。
富士山の下では地殻の上部がギュッと押されていると今の実験のようにマグマが出にくい状態になっている可能性があります。
この研究所では富士山内部の断面とその立体模型を見る事ができる。
地層の調査などを通して過去の噴火を研究する事でこれからの富士山の活動をある程度予測する事ができるという。
最近富士山の下では地下深い所で小さな地震がたくさん起こっています。
もしマグマがたまっていたとすると地下浅い所で大きな地震が起こると宝永噴火のように爆発的な噴火をする可能性が考えられます。
日本人にとっての心の風景富士山。
その陰で科学者たちの研究と調査が続いている。
いつも静かな富士山が1,000回も噴火している事にとても驚きました。
マグマと噴火のメカニズムの実験がとても面白かったので機会があったら本当のマグマを見てみたいです。
やっぱりマグマも芸能界も粘りが必要だな。
う〜ん。
粘りがあった方が溶岩ドームみたいに上へ上へと芸能界行ける訳じゃん。
ああ〜。
でも田中さんさもう内面がさすごいネチャネチャっていうかネチネチしてるから大丈夫じゃない?何?後輩とかがさ挨拶とかなかったらず〜っと愚痴ばっかり言ってるしさ。
言ってるよ。
ネチャネチャしてんじゃない?じゃ俺ネチャネチャしてんのに芸能界でこの位置って事?あ〜そうじゃない?俺の限界ここか〜!早かったな〜。
火山の分布や地震の分布はプレートの動きと関係している。
火山の形や大きさ噴火の様子はマグマの性質で決まる。
火山の直接の恵みとして温泉や地熱発電がある。
火山や地震などの自然災害を最小限にするようにハザードマップが作られている。
2015/02/12(木) 14:00〜14:20
NHKEテレ1大阪
NHK高校講座 科学と人間生活「自然の中で生活する人間」[字]
私たちの暮らしと科学はどのようにかかわっているのだろうか?素朴な疑問から、人類と科学の長くて深い関わりを明らかにしていく。出演:アンガールズ・岡野真也
詳細情報
番組内容
私たち人間は、身の回りの自然に対する知識を蓄積し、それを利用することで暮らしている。なかでも火山は、日本人にとって最も身近にある自然のひとつだ。そもそも火山とは何だろう? またそれは、どうして噴火するのだろう? そのメカニズムを知る。火山といっても平ぺったいものやドーム状のものなど、その形は一様ではない。それにはマグマの性質が関係している。「科学の現場」では、富士山の研究を紹介。
出演者
【出演】岡野真也,【司会】アンガールズ
ジャンル :
趣味/教育 – 中学生・高校生
バラエティ – その他
趣味/教育 – 生涯教育・資格
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