り、事故に関わっている疑いがあるとみて詳しく事情を聞いています。
(江美里の悲鳴)
(救急隊員)大丈夫?
(恭子)立花さん。
立花さん!
(救急隊員)そっち上げます。
(恭子)江美里ちゃん。
(小板橋)被害者は立花江美里10歳。
死因は溺死。
事件があったのは昨日の午後4時ごろ。
被害者江美里ちゃんが友達とプールサイドで遊んでいたところ突然現れた男が江美里ちゃんをプールに突き落としたらしい。
(杉浦)小学生に何てことしやがんでえ。
(小板橋)なお犯人は逃亡の際正門前の詰め所にいた警備員と格闘。
ケガを負わせている。
犯人の動機その他については今のところまだ不明だ。
(江藤)通り魔的犯行ってことか。
(岩崎)犯人についての詳しい人着は?
(小板橋)20代から30代の男。
まだそれしか分かってない。
(寺西)被害者と一緒にいた生徒たちからの証言はまだとれてないんですか?
(小板橋)ああ。
何しろひどいショックを受けたらしく話を聞けるような状態じゃないらしい。
というわけで瀬川。
おい室長。
(里央)えっ?あっわたし?学校関係の事情聴取君が中心になって進めてくれ。
えっわたしが!?声がでかいよ。
あっすいませんでも…。
(小板橋)仕方ないだろ学校側からの要請だ。
生徒を必要以上に刺激したくないので女性の捜査員をと要請している。
君も一応女だろでかいけど。
それにだ事件を目撃した生徒にはPTSDの兆候も見られるらしい。
あの大先生も一応は心理学者なわけだし2人でうまいこと頼むよ。
ほかの者は現場付近の聞き込みに当たってくれ。
以上。
(一同)はい。
瀬川どうした?瀬川警部補一命を賭してやらせていただきます!うん。
失礼します。
・
(南雲)断る。
あのわたしまだ何も言ってませんけど。
(南雲)おおかた例の小学校の事件だろ。
学校側から生徒を刺激しないために女性警官をよこすように言われた。
そこで君に白羽の矢が立った。
当たりです。
というわけでこれから…。
パス。
何で?何でも。
どうして?どうしても!理由を教えてください。
(ため息)だって僕子供苦手。
また子供みたいなことを。
(千尋)先生ステレオタイプのリバウンド効果ですが先生は講義の中でベトナム戦争を例に挙げリバウンド効果は人種という…。
悪いが質問ならまたにしてくれ。
急用ができた。
なぜです?「研究室の扉は常に開いている」「質問は大歓迎だ」とおっしゃったじゃないですか。
今日は閉店だ。
おらぐずぐずすんな。
僕は子供が苦手だ。
だけど彼女はもっと苦手だ。
ハァ…。
勝手過ぎる。
警視庁の瀬川です。
こちらは稜南大学心理学科の南雲教授。
どうも。
(恭子)あのどうして大学の先生が。
目撃者のお子さんたちにはPTSDの可能性もありますので念のため。
そうですか。
それで事件のことですが江美里ちゃんが襲われたとき秋元先生あなたはどちらに?あの日は居残りの当番だったので校舎の見回りをしていました。
そしたら突然プールの方から悲鳴が聞こえてきて。
・
(江美里の悲鳴)
(恭子)《どうしたの?》
(瑞樹)《江美里ちゃんが男の人に》《すぐに誰か呼んできて!》《しっかり!》
(恭子)《立花さん!》先生はその男を?見てません。
あの子を助けるのが精いっぱいで。
(すすり泣き)
(ため息)事件のこと思い出すのはつらいと思うけどもう一度あの日あったことお姉さんに話してくれるかな。
覚えてることだけでいいの。
いったい何があったの?何でもいいから話してくれるかな。
(ため息)・
(ボールの転がる音)教授。
ハァ…。
チッ。
ひょっとしてさ先生に内緒でプールに入ったことを怒られると思ってる?大丈夫。
誰もそんなことで怒ったりしないよ。
約束する。
君たちさよくあのプールで遊んだりするの?
(瑞樹)たまに。
たまに?あんまり人来ないから。
ねっ。
あの日も江美里ちゃんとプールで遊んでたんだよね?そこで何があったの?男の人。
男の人が急にやって来て。
(3人)《あいこでしょ》
(江美里)《どうしたの?》
(江美里の悲鳴)その人君たちの知ってる人?でも見たことある。
ホントに?
(怜奈)時々学校の近くをうろうろしてた。
(真理亜)何か変な人。
その人の特徴を詳しく教えてくれるかな。
はい。
(怜奈)はい。
どんな服着てた?何色だった?
(瑞樹)黒。
黒?「子供が苦手」とか言って案外扱いうまいじゃないですか。
ラポールを形成して親近感を与える。
基本的なテクニックだよ。
まあとにかくこれで男の特徴ははっきりしました。
あとは彼女たちの証言を似顔絵にすれば事件は案外早く片付くかもしれませんね。
そううまくいくかな。
んっ?どういう意味です?3人ともちゃんと証言したじゃないですか。
だけど肝心なことはあの橋本瑞樹って女の子しか話してない。
あとの2人は彼女の言葉に追従してただけだ。
それに彼女たちの様子。
《ねっ》明らかにほかの2人は瑞樹に対して従属関係にある。
だから?そういう関係って小学生には別に珍しいことじゃないでしょ。
そう?「そう?」って先生はそういう経験ないんですか?だって僕昔っから群れるの嫌いだもん。
あっそれよりさ犯人はどっから逃げたの?あっ正門方向ですから向こうです。
侵入経路は?それはまだ。
鑑識が足跡の確認を行ってますが犯人のものの特定には至ってません。
何しろ学校関係者や救急隊員など大勢の人物が出入りしてましたから。
うん。
それにしても妙だな。
んっ?何がです?何で犯人はわざわざ警備員のいる方に逃げたんだろ。
裏門とか逃走ルートはほかにいくらでもありそうなのに。
(岩崎)戻りました。
(小板橋)ご苦労さん。
(刑事)お疲れさまです。
(岩崎)事件のあった南浅川小学校ですが2カ月ほど前から不審な男がうろついてるのを近隣の住人が目撃しています。
(小板橋)不審な男?
(岩崎)ええ。
(江藤)年齢は20代後半。
相談を受けた地域課の連中もパトロールを強化してたそうです。
すると変質者の可能性も捨てきれないってわけか。
おしっ。
前歴者のリスト洗ってくれ。
(一同)はい。
課長。
例の警備員の事情聴取の方は?それなら今杉さんとテラがやってる。
(杉浦)ほう2年前までは麻布署に。
(韮崎)はい。
(杉浦)しかしそれがまた何で警備員になられたんですか。
韮崎さんまだ定年って年じゃないでしょ。
あの女房のやつが腎臓を患いましてね介護が必要になったんですわ。
韮崎さんあなたが事件の発生を知ったのは?あれは…午後4時ごろだったでしょうか定時の巡回に出ようとしたとき…。
(韮崎)《おい君何してる?》《ちょっと止まんなさい。
止まれってんだよ》《止まれって言ってんだ何やってんだ。
あっ!》
(韮崎の悲鳴)
(韮崎)《痛っ…》・
(瑞樹)《警備員さん!》《どうした?》
(瑞樹)《江美里ちゃんが男の人にいきなりプールに突き落とされて…》それで男の顔は見たんですか?ええあのちらっとですけども。
もう一度顔見れば分かると思います。
(杉浦)そうですか。
(美奈)瀬川さんできました。
(小板橋)この男か?はい。
江美里ちゃんのお友達の証言を基に作った犯人の似顔絵です。
(小板橋)杉さんすぐにこの男の手配頼んます。
あいよ。
(小板橋)ほかは所轄と協力してこの絵を基に現場付近の聞き込みやり直してくれ。
(一同)はい。
(江美里の祖父)2年前…娘がだんなと離婚しましてそれで江美里たちと一緒に暮らすことになったんです。
そうだったんですか。
(江美里の祖母)刑事さん孫は江美里はいつになったら返していただけるんでしょうか?申し訳ありません。
まだ色々と調べなければならないことがありますのでもう少しお待ちください。
あのところで江美里ちゃんのお母さまは…。
(江美里の祖父)入院しとります。
ご病気ですか?
(江美里の祖父)ええまあ。
アルコール依存症じゃないですか?どうしてそれが?あのチェストです。
立派な洋酒のチェストがあるのに使われてない。
飾ってある食器類にもアルコール用のグラスはない。
(江美里の祖父)あの子の父親は女癖が悪くて2年前娘と…江美里の母親と離婚することになったんですが母親はそれが原因で精神をやられ酒に溺れるようになったんです。
江美里はよっぽどつらかったんでしょう。
ここに来たころはまったく笑顔を見せない子でした。
(江美里の祖父)でも…これを見てください。
(江美里の祖父)ここ一年でようやくここまで笑えるようになったんです。
なのに誰が江美里にあんなことを…。
そのことで一つお伺いしたいんですが江美里ちゃんに何か最近変わったことはなかったでしょうか?
(江美里の祖母)といいますと?誰かにつけ回されたりとか江美里ちゃんあてに不審な手紙や電話はなかったかとか。
(江美里の祖父)そんなことがあればとっくに警察に知らせとりますよ。
そうですか。
(江美里の祖母)あなた。
(江美里の祖母のすすり泣き)
(小板橋)うん。
分かった。
準備が整いしだい任同かけろ。
いいか絶対に逃がすんじゃないぞ。
うん。
何かあったんですか?
(杉浦)んっ?似顔絵の男が見つかったんだよ。
名前は坂井俊夫。
学校近くに住むフリーターだ。
坂井はな2年前も豊島区で小学校の女の子にストーカー行為を働き事情聴取を受けてんだよ。
・
(ドアの開く音)この写真に見覚えないか?
(坂井)俺は何もやってないっすよ。
じゃあ何で南浅川小学校の周りをうろついてたんだ?んっ?
(岩崎)答えられないということは何か隠してるってことか?どうですか?この男です。
確かですね?
(韮崎)確かです。
(小板橋)おう供述調書にサインもらって。
(川崎)はいこちらでお願いします。
(バイブレーターの音)わたしだ。
うん。
(小板橋)うん。
分かったご苦労さん。
すぐに鑑識に回してくれ。
テラからです。
ガサ入れの結果やつの部屋から証言と一致する黒いパーカが見つかりました。
それと小学生の女の子ばかりを映した盗撮ビデオも。
これで決まりですね。
(杉浦のうなり声)
(小板橋)杉さんどうかした?
(杉浦)何かすっきりしねえな。
(小板橋)「すっきりしない」って。
あの野郎変に淡々としてやがるんだよな。
におわねえんだよなホシ独特のよ…。
確かに。
(小板橋)えっ?えっ?表情筋の緊張も見られないしストレスによる発汗もない。
おそらくあの男は犯人じゃない。
(小板橋)ちょっと待ってくださいよ。
先生のご高説はそれなりに拝聴いたしますが…。
いや嘘でしょ。
あなたは僕を信じてない。
僕の話なんて頭から聞く気はないんでしょ。
何を言いだすんですか。
わたしが先生を信じていないなどと…。
違いますか?違います。
ホントに?本当に。
フッ。
これです。
「これ」って?人は嘘をつくとき相手から目をそらすというのは事実じゃない。
嘘を突き通そうとするときほど相手の目を見詰める。
だけど彼…。
何度も言ってんだろ。
俺は…誰も殺してない。
彼の言ってることはおそらく本当です。
なるほど。
そういうことか。
(小板橋)うんうん。
って納得しないでよ。
もしもし?何だよお前たちまで。
坂井にアリバイあった!?
(寺西)はい。
犯行のあった時刻近所のビデオショップにいるのが確認されました。
先生が言ったとおりだな。
チッ。
くそ〜これで振り出しか。
もう一度不審者のリスト洗い直してくれ。
(一同)はい。
学校の裏サイトか。
あっ。
やっぱりわたしどうして江美里ちゃんが襲われたのか気になって。
で何か分かった?ええ。
これ江美里ちゃんのクラスの掲示板なんですけどもちょっと見てください。
うわっこりゃひどいな。
どれもこれも江美里ちゃんに関する誹謗中傷ばかりです。
特にハンドルネーム4番7番12番が率先して書き込んでます。
それって彼女の?おそらくはクラスメートです。
中でも12番がリーダー格となって掲示板をあおってますね。
12番を中心にそれに追随する4番と7番。
同じだな彼女たちと。
えっ?彼女たちの関係性もリーダー格の瑞樹を中心にほかの2人が追従していた。
それじゃああの3人がこの書き込みを?そう考えると合点がいく。
初めて会ったときの彼女たちあの顔には悔恨の表情が見られた。
普通この手の事件に遭遇した場合まず第一に浮かぶのは恐怖の表情のはずなのに。
つまり彼女たちは江美里ちゃんを良く思ってなかった?そう。
気付いてたんだったらどうしてあのとき言ってくれなかったんですか!確信が持てなかったんだよ。
人格形成途上にある子供の場合表情を読み取るのは非常に難しい。
感情が不安定な場合があるからね。
だから子供は苦手なんだよ。
(韮崎)それで今日はどういったご用件で?事件の概要を整理するために事件当時の韮崎さんの動きを時系列にまとめてみたんですがご確認願えますか?
(韮崎)はい。
ふんふんふん…。
あっ確かにここに書いてあるとおりです。
間違いありませんか?間違いありませんよ。
でもそれうちの大学の慰安旅行のスケジュール表なんですけど。
韮崎さんのこと調べさせてもらいました。
眼科に通われてるそうですね。
目の異常に気付いたのはいつごろからなんです?1年前です。
初めはかすかに視界がぼやける程度だったんですがだんだんひどくなってきて。
でもどうして分かったんです?同僚の刑事が言ってました。
取り調べのとき…。
それに面通しのときのあなた。
(韮崎)《この男です》
(小板橋)《確かですね》《確かです》さっきと同じようにおうむ返しの返事だった。
つまり嘘をついてる。
韮崎さん本当はあなた犯人を…。
そうです見てません。
あの日いったい何があったんですか?あんとき定時の巡回に出るときでした。
(瑞樹)《警備員さん!》
(韮崎)《どうした?》《江美里ちゃんが男の人にいきなりプールに突き落とされて…》
(韮崎)《えっ!》
(韮崎)あのときのわたしはこの目のせいで男の侵入を見逃したと思った。
だから…。
《よし分かった。
君たちは危険だから校舎の中に避難してなさい。
ねっ》《ほら早く早く!行った行った!》《はっ!あっああ…》どうして事情聴取のときに正直にそうおっしゃらなかったんですか。
(韮崎)言ったらどうなります?視力に問題を抱えた警備員なんて…。
すぐにお払い箱だ。
そうなったら自分だけでなく女房も路頭に迷わせることになる。
だからわたしは…。
今日は江美里ちゃんのことについて教えてもらおうと思って。
みんなから見て江美里ちゃんってどんな子だったのかな?怜奈ちゃん。
そのあの…。
親友でした。
優しくて思いやりがあって…。
ごめんねわたしは怜奈ちゃんに聞いてるの。
優しい子でした。
真理亜ちゃんは?わたしも同じです。
あっ!あっすいませんあの何かふくものを…。
(恭子)あっ今わたしが。
あっ先生はここにいてください。
事情聴取中ですから。
瑞樹ちゃんごめんあのぞうきんか何か持ってきてくれる?・
(ドアの閉まる音)
(瑞樹)どういうこと!わたしを裏切ったの!?瑞樹ちゃん。
(瑞樹)言ったよね?あのことは3人だけの秘密だって。
学校の裏サイト。
あれも君たちの仕業?何のことですか?わたしは何も知りません。
嘘だ。
今君は首の後ろを触ってるね。
それは嘘をついたというサインだ。
言っとくけど僕に嘘は通じないよ。
正直に聞かれたことに答えるんだ。
ねえ瑞樹ちゃん。
どうしてあんなひどいこと書いたの?さあ。
だってひいきされてたから。
江美里ちゃんが秋元先生にひいきされてたって言うの?
(瑞樹)嘘じゃありません!わたしたちが宿題を忘れると秋元先生わたしたちのことはすごくしかるけどでも江美里ちゃんが宿題を忘れてもいっつも「まあしょうがないか」みたいな感じで。
合唱コンクールやクリスマス会のときもひいきされて…。
それで彼女をプールに突き落としたのか。
違う!それは黒い服の男の人が…。
それも嘘だよね。
ねえ瑞樹ちゃん警備員さんは正直に話してくれたよ。
黒い服を着た男の人なんていなかったって。
あの日ホントは何があったの?瑞樹ちゃんあなた…。
(瑞樹)違う!わたしたちはただちょっと江美里ちゃんを懲らしめようと思っただけ。
(江美里)《嘘だ学校のプールに魚なんているわけないよ》
(瑞樹)《本当だってばわたしたち見たもん。
ねっ》
(怜奈)《ねっ》
(江美里)《どこ?》
(怜奈)《ほらそこにいるじゃん》
(江美里)《え〜》
(江美里の悲鳴)
(3人の笑い声)まさかそれで江美里ちゃんが死んじゃうなんて…。
ねえみんな…。
みんなあんなに江美里ちゃんのこと裏サイトに色々書いたのにどうして江美里ちゃんはみんなと一緒にいたかったか知ってる?江美里ちゃんね寂しかったんだよ。
おうちで色々つらいことがあって。
でもあなたたちと一緒にいたら楽しかった。
江美里ちゃんは…。
みんなのこと大切な友達だって思ってたんだよ。
(泣き声)
(3人の泣き声)確かなんだな?で瀬川は何て?
(小板橋)橋本瑞樹。
片桐怜奈。
篠原真理亜が…江美里ちゃんをプールに突き落としたことを認めたそうだ。
ハァ…。
何だか信じられません。
殺意はなかったとはいえ彼女たちまだ子供ですよ。
子供が純で汚れを知らないなんていうのは大人たちが勝手に抱いた希望的幻想にすぎない。
いやでも…。
たとえ子供といえども自我があれば嘘をつく。
それが人間だ。
「人間」ですか。
・
(女の子)20m泳げたんだよ。
(女の子)へえ〜すごい。
レイも頑張ろう。
(女の子)あしたは25m泳ぐんだ。
(女の子)レイも負けない。
ひょっとして!えっ何?もう…。
どうしたんですか?立花江美里ちゃんの遺体は!?あっあしたご遺族に返却ですので今はまだここに。
あっ。
だったら調べてほしいことがあるの!・
(足音)職員室で伺ったらここじゃないかって言われたもので。
(恭子)刑事さんわたしねいまだに気持ちの整理がつかないんですよ。
わたしがもっと生徒たちに気を配っていればあんな痛ましい事故は起こらなかったんじゃないかって。
事故…。
あれは本当に事故だったんでしょうか?どういう意味です?江美里ちゃんご両親が離婚するまで地元のスイミングスクールに通っていたんです。
泳ぎはとても上手だったって。
でも泳ぎがうまい人でも海や川に落ちて亡くなることがあるって。
知ってますか?先生。
江美里ちゃん息継ぎなしで25mも潜水ができたんです。
そんな江美里ちゃんが簡単に溺れたりするでしょうか?何が言いたいの?先生DNA鑑定にご協力いただけますか?前に言いましたよね?江美里ちゃんを助けようとしたとき人工呼吸をしたって。
それが本当なら江美里ちゃんの唇には先生の唾液や細胞片が付着しているはずなんです。
教えてくださいあの日何があったのか。
このままじゃ瑞樹ちゃんも怜奈ちゃんも真理亜ちゃんも一生江美里ちゃんを死なせてしまった自分たちを責め続けて生きていかなければならないんです。
先生は教師としてホントにそれでいいんですか?話していただけますね?本当のことを。
(恭子)教師は聖職だなんていうけど教師だって人間です恋の1つや2つぐらいします。
でもわたしの場合問題なのはその相手に奥さんや子供がいたっていうこと。
でもそれなりにうまく隠し通してきたわ。
そうあの日までは…。
・
(江美里)《先生?》《立花さん》
(江美里)《その人先生の彼氏?》
(恭子)そのときはうまくごまかせたと思った。
でも…。
(小西)《恭子》
(恭子)《もういいから!》《自分のうち帰ればいいでしょ!》
(小西)《ちょっと待てよ恭子…》
(恭子)《触らないでよ!》警察は彼の死を酔った上で足を踏み外した事故だと断定しました。
でもそこからよわたしの地獄が始まったのは。
地獄?あの子よ。
立花江美里。
・
(江美里)《先生》《駄目だよ…ケンカしちゃ》《彼氏さんのことはわたしと先生の秘密だよ》《わたしはずっと先生の味方よ》わたしはあの子が怖かった。
あの子の機嫌を損ねるようなことがあればわたしは間違いなく破滅する。
だからあからさまに江美里ちゃんをひいきに?ほかにどうしろって言うの?わたしにはそれしか選択肢はなかった。
そしてあの事件が起こった。
《江美里ちゃんが男の人に…》
(恭子)《えっ?》
(恭子)《立花さん!》《先生!》
(恭子)そのとき耳元で声がしたの。
「この子を殺すなら今しかない」って。
(江美里のうめき声)
(恭子)わたしがあの子から逃れるためにはああするしかなかった。
仕方なかったのよ。
(ため息)先生…。
あなた間違ってます。
これは?江美里ちゃんの日記帳です。
あの子の?「恭子先生がわたしの歌を褒めてくれました」「こんなに褒めてもらったのは前にお母さんに褒められて以来です」「わたしの体操着袋で男子たちが遊んでいて困っていたら…」
(江美里)「恭子先生が抱きしめてくれました」「お母さんみたいなにおいがしました」彼女があなたを脅したなんてとんでもない。
江美里ちゃんはあなたにお母さんを重ねていたんですよ。
そんなまさか!だったらどうして秘密めいてわたしに意味ありげなことを…。
心配だったんですよあなたが。
江美里ちゃんはご両親の離婚で心に深い傷を負いました。
だから「ケンカしないで」「味方だよ」ってあなたのことを気遣ってたんですよ。
もう二度とケンカで傷つく人の姿を見たくなかったから。
嘘よ!あり得ない!だってあの晩確かにあの子は…。
いいえ。
見てません。
「11月21日」「歩道橋の上にきょう子先生がいた」「とっても悲しそうな顔してたよ」「先生が悲しい気もちだとわたしも悲しい気もちになっちゃうよ」江美里ちゃんが見たのは歩道橋の上のあなただけだったんです。
はっ…。
だったらわたしは…。
そう。
あなたは「事件を見られた」その先入観で江美里ちゃんのあなたを慕う本当の心が見えなくなっていたんです。
(泣き声)グッジョブ。
(泣き声)
(ため息)まさか助けに入った先生が犯人だったなんて。
あの子供たちといい警備員といいやりきれませんね。
この間も言ったでしょ。
人間は必ず嘘をつく。
男も女も子供も大人も。
ええ。
だけど嘘をつくことが必ずしも悪いこととは限らない。
時には人を傷つけないための嘘なんてのもある。
だからそう落ち込むな。
君は立派に役目を果たした。
それってわたしを慰めてくれてるんですか?あれ?分かった?だって教授嘘つくの下手ですもん。
(林田)ホントに申し訳ありませんでした!2015/02/12(木) 14:57〜15:53
関西テレビ1
CONTROL 〜犯罪心理捜査〜 #03[再][字]
小学校のプールで女の子が不審者に突き落とされて亡くなる事件が発生。不審な男が目撃され犯人が絞り込まれていく中、里央(松下奈緒)と南雲(藤木直人)は違和感を覚える
詳細情報
番組内容
瀬川里央(松下奈緒)は、小学4年生の立花江美里(笠菜月)が学校のプールに落ちて亡くなった事件の捜査をすることになる。現場では友達3人が江美里をプールに落とすパーカーを着た男を目撃しており、その男は警備員の韮崎和夫(でんでん)も襲って逃げていった。生徒の気持ちを配慮した学校側の要請で捜査に当たることになって張り切る里央だが、南雲準(藤木直人)は子供が苦手とあまり乗り気ではない。
番組内容2
2人は江美里を助けにかけつけた教師の秋元恭子(霧島れいか)や友達3人の元を訪ねて事件の状況を聞く。さらに南雲は犯人の逃走経路にも違和感を覚える。一方、捜査課の捜査で小学校付近に2カ月前から不審な男の目撃情報があったことや、韮崎が元警察官であることが判明した。
韮崎にも確認した子供たちの証言を基に作られたモンタージュが配られ、捜査も進展しているように思えたが、南雲は逃走経路に抱いた謎を
番組内容3
払拭できずにいた。里央はなぜその場にいた4人の中で一番体の大きい江美里が狙われたのかが気になっていた。
そんな中、小板橋正次(勝村政信)の元にモンタージュの男がみつかったとの連絡が入った。男は過去にも小学生女子へのストーカー行為を行った経歴があり、アパートへ向かった岩崎幹也(北村有起哉)らが男を確保。韮崎の証言もとれ、男が犯人と思われたが、南雲と杉浦幸造(泉谷しげる)は納得ができないようで…。
出演者
松下奈緒
藤木直人
横山裕
北村有起哉
臼田あさ美
佐藤二朗
与座嘉秋
奥村佳恵
*
勝村政信
泉谷しげる
ほか
原作・脚本
【脚本】
寺田敏雄
田辺満
ほか
監督・演出
【演出】
村上正典
城宝秀則
【編成企画】
鹿内植
【プロデュース】
貸川聡子
【アソシエイトプロデュース】
小椋久雄
音楽
井筒昭雄
【主題歌】
「銀河の星屑」桑田佳祐
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
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