日本人の劣等感が「反韓」呼ぶ
よく分かりました。韓国人が日本を「目下の国」と見始めたことが。1つ質問です。後段の「日本の心理的問題」とは「日本人が韓国に対し劣等感を持っている」という意味ですか。
鈴置:その通りです。「対韓劣等感が反韓を生んでいる」との分析です。この辺は、少し前までの韓国人の心情を、そのまま日本人に投影していると思われます。つまり韓国では「対日劣等感が反日を呼んでいた」――わけです。
なるほど、きっとそうなのでしょうね。それにしても一国の首相が、隣国よりも自分の国が優れていると堂々と語るというのも、すごいですね。
鈴置:韓国ではそれほど奇異にはみられません。「上の人」が「下の人」を見下してみせるのは韓国では、よくあることだからです。
大韓航空の副社長(当時)が機内で乗務員を叱り飛ばし、発進しかけていた機体を戻させた事件がありました。
鈴置:この元副社長はオーナーの娘。社内では怖いものなしです。世論の批判が高まったから今回は裁判にかけられましたが、普通なら家来――乗務員は泣き寝入りです。
日本を貶めて「上」を実感
しかし日本は韓国の家来ではありません。なぜ、韓国はオーナーの娘が乗務員に対するように、日本を叱り飛ばすのでしょうか。
鈴置:長い間、韓国人が下から日本を見上げていたからです。「日本よりも上に立った」ことを実感するためには、日本を貶めることが必要なのです。
だから、李明博(イ・ミョンバク)大統領は竹島に上陸して見せた。さらには「日王(天皇)は謝りに来い」「日本は力を失った。もう怖くない」との趣旨の発言を繰り返したのです。
「慰安婦」に関し朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が日本の悪口を世界中で言って歩くのも、この心情からと思います。韓国は日本よりも上の国である。だから遠慮せずに悪口を言えるのだ――と韓国人、さらには世界に示すのが目的です。
指導者だけではありません。在米韓国人が慰安婦の像を立てる。あるいは外国に留学した韓国の学生がクラスメートに日本の悪行を言いたてる――。「日本よりも上の韓国」を世界に印象付けるために、普通の人が日本への誹謗中傷に全力をあげるのです。
私が韓国人の異様な行動を「上から目線の卑日」と呼ぶのはまさにこのためです。これまでの「下から目線の反日」とは明らかに動機が異なるのです。