東京地裁:児相職員同席は違法…少年にも秘密接見交通権

毎日新聞 2015年02月19日 12時07分(最終更新 02月19日 14時59分)

 少年審判で児童自立支援施設に入所した少年への面会が、児童相談所職員の立ち会いなしに許されなかったのは違法だとして、付添人の弁護士が東京都に10万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は19日、少年との面会について、立ち会いなしの「秘密接見交通権」を認める初の判断を示した。その上で請求は棄却した。

 判決によると、少年は昨年1月に施設に入所。少年審判の抗告審の打ち合わせで施設を訪れた弁護士が面会を申し入れたが、「少年への福祉的配慮」を理由に児相職員が同席した。近藤昌昭裁判長は「付添人は刑事手続きの弁護人と同様、少年の権利や利益を保護する役割を担う」と指摘。立ち会いによって、少年が自由に発言することをためらう可能性があることなどを挙げ、都側の対応を違法と判断した。

 その上で、施設内での秘密接見交通権を定めた明文規定はなく、付添人の面会には職員の立ち会いが通例となっていたことなどを踏まえ、「施設側に故意や過失はなかった」として賠償を求めた請求は退けた。【山本将克

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