亀の瀬地すべり対策事業を行わなかった場合、現在地すべりが起きたらどのような被害や影響があるのかを検討したデータです。
亀の瀬地すべりで大和川が完全に閉塞した場合、奈良県側はかなり広い範囲で浸水被害が発生すると想定されています。総面積約600ha、甲子園球場の410倍の広さです。4,700世帯以上の住民、650以上の会社、230ha以上の田畑が浸水することになります。
奈良盆地は200〜300万年前は「古奈良湖」と呼ばれる湖で、水が溜まりやすい地形のため、歴史的に浸水被害の多い地域です。近年では昭和57年8月、平成7年7月、平成11年8月、平成12年8月に比較的大きな水害がありました。亀の瀬地すべりによる浸水が起きると、これらの数倍から十数倍の水害になると考えられます。
亀の瀬地すべりによる大和川の閉塞が決壊した場合、大阪府側では約5,400haに氾濫被害が発生すると想定されています。これは約18万世帯、約3.4万の会社が影響を受ける大規模な水害となります。被害想定額は4.4兆円と試算されています。
大阪平野は大和川の河床よりも低い土地です。そのため、亀の瀬地すべりによる大和川の閉塞が決壊すると、たまっていた水がいっきに流れこみ、広い範囲に大きな水害をもたらします。