追記:この記事が割と見られているようなので慌てて追記しますが、この記事はレーシック手術についての正しい情報を提供するものではないです。ご自身が手術を受けるかどうか、また品川近視クリニックの正確な提供内容についてはそれぞれ正確な情報をお調べください。あしからず。
たしか初めてメガネを作ったのは小学校4年生の時で、コンタクトレンズを作ったのは高校に入ってからだったと思うのですが、それ以来20年前後をメガネ・コンタクトレンズと共に過ごしたぼくはど近眼です。両目とも視力0.1以下で、乱視もあります。
そんなぼくですが、このたびレーシック手術を受けました。現在すでに一週間検診も終わっており、両目ともに裸眼で1.5まで回復。もちろん乱視もまったくなくなり、非常に快適です。
レーシックを受けることにした理由
なぜ今レーシックを受けることにしたかですが、もともとそのうちレーシックを受けるつもりではいました。で、以前記事を書いたように今年の目標である「生活のコストを下げる」の一環として、というのが一番大きな理由です。
あとは、今たまたま経済的に余裕があるからとか、仕事中にずっとメガネをかけていると頭が痛くなってくるからとか、もし大地震が来て避難生活になったらメガネ・コンタクトはホントにキツいだろうなとか、3D 映画を観たりヘッドホンをするのにすごいジャマだとか、そういうこまごまとした理由がいくつかあります。
レーシックとは?
「レーシック」は今やかなり有名だと思いますが(おもに恐怖の対象として)、ここで今一度振り返っておくなら、目という名のレンズをレーザーで直接削って屈折率を矯正し、視力を回復する手術のことです。力技ですね。
こう書くとやっぱり印象としてはかなり怖いんですが、当然手術を受けた人は口を揃えて「やってよかった」「今までで一番良い買い物をした」とコメントしています。
まれに手術がうまくいかず、視力が元に戻ってしまったり、極度のドライアイになったり明かりがまぶしくて仕方なくなったりする人がいるみたいですが、これは上記の「怖さ」によって極端に拡散されたラウドマイノリティ的な声であると個人的には思っています。
とはいえ、目はぼくの一番大事な商売道具でもあり、やり直しがきかないことでもあるので、クリニック選びにはなるべく万全を期したい。
ということで事前にいろんなところで評判や体験談を聞き、最終的には Facebook のフレンドが一番多く受けていた品川近視クリニックというところで手術を受けることにしました。
準備
まずは電話で予約をし、事前に必要なあれこれを伺いました。
最初はとりあえず診断だけ受けようと思っていたんですが、品川近視クリニックがある有楽町は自宅からかなり遠いので、一日で済めばそれが一番いいなと思い直し、朝から検査をして夕方までに手術が終わる「一日レーシック」コースに申し込み。
朝からやる検査は遺伝子検査で、これは目に関する遺伝病の遺伝子を持っている人だとレーシックを受けた直後から視力が急激に下がるなどの影響がある可能性が高いらしく、そのリスクを回避するためらしいです。
この結果が出るまでに数時間かかるため、朝から検査をする必要があるとのこと。視力に関する検査と手術そのものはとても短時間で終わります(すいていればね)。
で、その遺伝子検査とその後の検査・手術のため、準備しておくことは以下のとおり:
- コンタクトレンズは3日前から(乱視用は1週間前から)はずしておく
- 前日からお酒を飲んではいけない
- 歯磨きをしておく
- 香水や整髪料を使ってはいけない
- ニット・フード・タートルネックは着てこない
- 「印鑑」「身分証明書」「普段使っているメガネ」を持ってくる
当日
朝クリニックに到着すると、まずは上記の遺伝子検査のため、綿棒のようなもので頬の内側をこすって粘膜の採取をします。事前に歯を磨いておけと言われたのにドーナツとコーヒーで朝食をとったぼくは丁寧にうがいをさせられました。
で、目の検査。これは機械による視力の検査(のぞきこむと飛行機とか気球の絵が見えるやつ)、眼圧の検査(のぞきこむとプシュッと空気を吹きつけられるやつ)、いわゆるふつうの視力検査(片目を隠して「C」型の上下左右どこがあいているか言わされるやつ)と、ごくごく一般的なものばかりでした。
ひとつだけ今までやったことがない検査があって、麻酔目薬をさして目の表面の細胞を取るというやつ。急にとんがった機具でつつかれたので、これが一番びっくりしました。
その後、視力検査に似た機械で角膜の厚さを確認。瞳孔が開く目薬を差してしばらく待ってから瞳孔の確認と、ひとつひとつは2〜3分程度で終わる検査をいくつかやりました。
そしてすべての検査結果を医師が確認して、あらためて手術そのものについての説明を受け、プランを選びます。
レーシックの種類(プラン)
ここ、かなり大事なのでしっかり書きますね。
ぼくが事前にレーシックの情報をウェブ検索などで調べたら、どのブログもここがちゃんと書いてないか、過剰に好意的・批判的に書いてあるブログしかなく、ぜんぜん判断材料にならなかったので。
レーシックってプランがいくつかあることが多くて、たとえば品川近視クリニックのウェブサイトトップを見ると、レーシックは一番安いのが「スタンダードレーシック」の7万円、一番高いのが「アマリス750 Z レーシック」で29.7万円と書いてあります(2015年2月現在)。
なんですが、ここを見てもそれぞれどういう違いがあるのかよくわからないですよね。なので、手術のプランについては当日説明を聞いてから決めさせてください、と事前に電話で伝えておきました。
で、当日ぼくが受けた説明をざっくり要約すると、選択肢はこんなかんじになります。
まず、目の表面をぺろっとめくって「フラップ」というフタをつくる必要があります。これは機械がレーザーでやってくれるのですが、この機械を古いものにするか、新しいものにするか。
次に、屈折率の矯正をするんですが、これも機械がやってくれます。目の動きを捕捉しながらレーザーで削るんですが、この機械を古いものにするか、新しいものにするか。
最後に、これがけっこうびっくりなんですが、そのふたつの機械を扱う医師の熟練度が高いか、そうでないか。
この3つについて選択の組み合わせで価格が違ってくることになるようです。当然、新しい機械のほうが精度が高い、という説明が(さまざまなディテールと共に)されます。
これに加え、品川近視クリニックでは、もともと別の治療に使われていた「角膜を丈夫にする」処理というのをオプションでつけることができます。
そもそもレーシックをやったのに視力が元に戻ってしまうというのはどういう状態かというと、角膜が薄くなることで眼圧に負けて内側から押され、結局屈折率が正常な状態ではなくなってしまうということらしく、これを予防するためにこの処理をつけることができるということです。
以上の説明を受けたうえで、「角膜は削ると元に戻らない細胞なので、一定以上の再手術はできません」という説明がされます。
そんなこと言われたら、一番いい機械で、一番いい先生で、角膜を丈夫にする処理をつけてお願いします……と言うしかありませんよね。実際、だいたいのお客さんが一番いいプランを選ぶそうです。
で、その価格はというと合計で65万円です。安心してレーシックを受けたかったら、実質このワンプライスだと思ったほうがいいと思います。
ちなみにぼくは誰の紹介も受けずにいったので割引なし価格だったんですが、先生が5万円割引のチケットをくれたので、これはもしかしたら一番いいプランにした人には必ずくれるものかも。よくわかりませんが。これを適用した状態で65万です。
手術
遺伝子も視力も角膜の厚さも問題なく、手術を受けることができるということがわかったので、前述のとおり一番いいプランでやってもらうことにしました。
まず、アクセサリー類をすべてはずし、手術用の帽子をかぶらされて待合室で待ちます。服装は別に手術着とかに着替えはせず、そのままでした。
しばらく待っていると、麻酔目薬をさされ、手術室前でまた待機。
それまで検査のたびにかけたりはずしたりしていたメガネをはずすように指示され、「そのメガネはもう使いませんので、手にしっかり持っていてください」と言われたのがものすごく印象的でした。
かるく目をつぶっていると、目のあたりがボワボワする感じになったので、麻酔がきいていることがわかります。麻酔がきいていてもふつうに目をきょろきょろさせたりできるし、視界も普通のままなんだ、というところに変に感心。
しばらくして手術室に入ると、当たり前ですが横になるための手術台が置いてあり、そのまわりにたくさんの機械と5人程度の医師が待っていました。事前に聞いていた「手術はあっという間」という言葉で、なんとなく手術台とかなくて頭だけ固定する美容院みたいな感じなのかなと思っていましたが、ふつうに手術台でした。
仰向けの状態で横になると頭を固定され、その真上に機械が移動してきます。この機械が発する緑色のライトをずっと見上げて、目線をなるべく動かさないように指示されます。
がんばって目を動かさないようにしていると、まずは右目のまぶたが上、下とめくられて固定され、そこに筒のようなものが強く押し当てられました。たぶんこれで目が露出された状態になっているんだろうなと思っていると、水のようなものが目に流し込まれ、視界が水の中に。
周囲では、プリンターのようなジー・ジーという音と、非常に不安を煽る Windows のエラー音が断続的に響き、たまに医師の方が「60秒です」「45秒です」などとカウントダウンしたり、「順調ですよ」とこちらに語りかけたりする声も聞こえました。うおおうおおおと謎の興奮状態のうちに右目は終了。
左目も同様に進みました。
すこし余裕が出てきたので、どのタイミングでフラップが作られているのか視界から判断してみようと思ったのですが、おそらくまずレーザーで切り込みが入れられ、水のようなものが流し込まれた直後に視界がぼんやりとしたタイミングがあったので、そこで手動でぺろっとめくっているんじゃないかなと思いました。
当たり前ですが、なにかされている感触や痛みはまったくありません。視界も固定なので、まるで映画のワンシーンを見ているようでした。ああ俺はロボコップでいま改造されているのだ、とふと思いました。治療とか手術っていうより改造ですね。怖くもないし、むしろエンタメ感あります。
その後、そのまま起きるように命じられ、部屋を自分の足で移動。この時点では視界はだいぶぼやけていましたが、手術前より多少見える感じ。
別室で再度手術台に横たわり、フラップをめくられ、角膜をかためる処置をされました。ビタミン点眼と紫外線照射だったかな。そういうやつです。
術後
すべて終わると、また自分の足で待合室まで歩かされます。視界はさっきとあまり変わりません。
そこで看護師さんに痛み止めとドライアイ防止の点眼をされ、目を軽く閉じてしばらく待つように言われます。どうやら背後ではぼくより先に終わった人が目薬の説明 DVD かなにかを見せられているようで、おい目の手術した直後に画面を見せるんかい、と思いながらもヒマなので音声だけ聞いておきました。
しばらくするとまた看護師さんがやってきて、さっきひととおり音声だけ聞いてしまった例の DVD を見るように促されます。その後、目薬一式と目をガードするためのプラスチックのメガネを渡され、行程はすべて終了。お疲れさまでした。
目薬は4種類。「感染防止」が2つ、「痛み止め」が1つ、「ドライアイ防止」が1つで、それぞれ点眼のタイミングが異なります。
時間的にどうしても帰宅途中の電車の中でささないといけないものがあり、これがものすごく大変でした。時間は19時過ぎで電車もだいぶ混んでおり、運良く座れたので点眼以外はずっと目をとじて帰りました。
視界はまるでグリスを塗ったメガネをかけているような感じでややぼやけているものの、視力自体は明らかに以前より良くなっていると感じられました。ただ、この時点では「よく見える」とはほど遠い状態。元々0.1だった視力が(体感ですが)0.8とか1.0くらいになったような感じです。
帰り道でもたまに目が痛んだんですが、痛みは他の多くの体験者が言っているように、ちょうどタマネギをきざんだ後の痛みをやや強くした感じ。痛いというか、しみるという感じですね。痛くなったら即痛み止めをさしていたので、あんまり気になりません。ただ、痛み止めをささずにはいられないくらいには痛い。
帰り道と自宅で、何度か明かりがものすごくまぶしいと感じました。
帰ってから妻の用意してくれた食事をとり、これはいけないかなーと思いながら FF14 の日課(エキスパートルーレット1回だけ)をこなし、お風呂に入ることは止められているのでさっさと寝ました。
眠っている最中にこすってしまわないよう、寝る時もガードメガネを着用せよとのこと。
翌日
レーシックを受けた人は、翌朝起きた時にとても感動するとよく言っていますが、ぼくはそうでもありませんでした。たしかによく見えるのだけれど、鏡を見るとまぶたがものすごく腫れており、右目にはごろごろとした違和感。ちょうどコンタクトをつけたまま寝てしまった後のような感じでした。どうも目薬をドカドカさしたおかげでまぶたが負けてしまったようです。
その日は「翌日検診」というのがあったので、ガードメガネをつけてまた有楽町まででかけていきました。
ガードメガネをかけた状態でよく見える、というのは体験的にはメガネをかけている時と変わりないので、ここでもあまり感動はありません。クリニックに着いてメガネをはずし、機械による視力検査と例の「C」式による視力検査を終え、医師の先生に目をチェックしてもらい、すべて順調で視力は両目1.5まで出ていますね、と言われた時にやっと「あぁ、目が良くなったんだな」という実感が湧いてきました。
その後、「 Facebook に体験投稿すると3,000円キャッシュバック」というキャンペーンについて執拗に質問したりしつつ、そのまま帰宅。
手術から1週間
その日の夜くらいには目の腫れやごろごろもなくなり、翌日くらいからじわじわと喜びがわいてきてテンションが上がりました。もうあのめんどくさいメガネやコンタクトから開放されたと思うとホントに嬉しくてたまらない。ウェブサイト表示よりだいぶ高い会計でしたが、まったく高い買い物じゃないです。
夜、寝る前くらいの時間になって自分の視界がクリアだと「寝る前にコンタクトはずさないとな」と反射的に思うんですが、「あ、裸眼だったわ」と思い直し、そのたびにニヤニヤしています。
ガードメガネは術後一週間までしっかりかけたまま寝ないといけないのですが、これは非常にわずらわしいですね。
ある朝起きてみるとガードメガネがなくなっており、探すと足下の方の床に落ちていたので、あまりのわずらわしさに寝ながらはずしてぶん投げたのかもしれません。
ちょうど昨日(2月17日)が一週間検診だったんですが、経過は順調な様子。
まとめ
長々と書いてきましたが、レーシックを検討している方に向けた言葉をまとめると、以下のようになると思います。
- 安心したければ、予算は高めに設定すべし。
- 手術は痛くないし、自分の姿が見えるわけではないので、ぜんぜん怖くない。
- 裸眼最高。
レーシック手術に対する一番の懸念点は「術後何十年も経ったら何かが起こるか、前例がない」というところだと思います。このため、ぼくもすべての人に手放しでマジオススメと言う気はまったくありません。
ただ、一方でレーシックが一般に施術開始されてからすくなくとも20年は経っているとも言えるので、これから20年経ったら自分は何歳かとか、それまでコンタクトを装用し続けたらいくらかかるかとか、角膜にどのくらいの負担がかかるのかとか、そういった条件をひとつひとつ並べていって自分で天秤にかけるしかないかなと思っています。
そんなわけで、もし紹介キャンペーンですこし安く手術を受けたいと思った方がいたら、ご連絡ください。