曽野氏コラム:日本アフリカ学会の歴代会長らが撤回求める
毎日新聞 2015年02月17日 21時08分
◇「アパルトヘイト擁護の見解 国際社会からの非難の対象」
産経新聞が掲載した作家・曽野綾子氏のコラムにアパルトヘイト(人種隔離)を擁護する内容が含まれているとして批判されている問題で、国内のアフリカ研究者の組織「日本アフリカ学会」(会長・島田周平東京外国語大特任教授)の歴代会長ら約80人が17日、コラムの撤回や関係者への謝罪などを求め、連名の要望書を同紙に送ったと明らかにした。
11日の同紙朝刊のコラムで曽野氏は、労働力不足解消のための移民受け入れに言及し、「20〜30年も前に南アフリカ共和国の実情を知って以来、私は、居住区だけは、白人、アジア人、黒人というふうに分けて住む方がいい、と思うようになった」などと書いた。
要望書は同紙と曽野氏宛てで、「労働移民の『居住区をわける』という考え方は、アパルトヘイトの労働管理システムそのものだ。学術的知見に照らしてもアパルトヘイト政策を擁護する趣旨を持った見解で、国際社会からの非難の対象となる」と批判している。
同学会は1964年に設立し、会員数は約800人。【高尾具成】