日本でグローバル人材の育成が急務であるのは言うまでもない、しかし、その障害となるのが、日本人が「誇り・アイデンティティ」を持ち過ぎることなのである。筆者からすれば、日本人は「誇り」に欠けているとは思えない。むしろ、日本人は日本を「特別な国」だと思い過ぎて、変なプライドを持ってしまいがちなのである。そして、新興国の人に負けるなど、少しでもプライドが打ち砕かれる局面になると、異様に卑屈になって、行動を委縮させてしまう。
また、日本人は「日本VS海外」という構図を描きがちだ。海外との間にある種の「壁」を作ってしまいがちである。それは、日本人がグローバル社会でコミュニケーション能力を欠き、確固たるネットワークを築けず、孤立に陥ってしまうことになる。
この現状を打破して、日本人がグローバルに活躍するようになるには、日本は「特別な国」だという変なプライドを捨て、個人で国際社会を渡るという「覚悟」を持つ必要がある。道徳教育を改革するならば日本は「国際社会の中で、数多い国の中の1つに過ぎない」と考え、諸外国との関係の中で生きていくとした考えを、子どもたちに教えていくべきではないだろうか。