2015年2月18日15時06分
エボラ出血熱の猛威がやまない西アフリカのシエラレオネに向けて、防衛省が陸上自衛隊の輸送部隊を現地に派遣する検討に入った。同省幹部が明らかにした。陸自の輸送部隊が現地で医師や物資の輸送を担うほか、海上自衛隊の輸送艦と補給艦も西アフリカ沖に展開して陸自隊員の拠点とし、派遣隊員は全体で400人規模とする案だ。
防衛省幹部は18日に計画の詳細について首相官邸に報告した。官邸は「自衛隊を出す必要があるのか」と消極的で、実際に派遣されるかどうかは不透明だ。
エボラ出血熱対策をめぐっては、安倍晋三首相が昨年9月の国連総会で、防護服50万着をアフリカの現地に供与する方針を発表。これを受けて、10月に民間機により2万着がリベリアとシエラレオネに運ばれた。
その後、自衛隊機も輸送に乗り出し、昨年12月上旬、航空自衛隊のKC767空中給油・輸送機を使って、医療関係者が使うガウン、手袋、マスクなど防護服関連物資の一部を西アフリカのガーナへ運んだ。この時は国際緊急援助隊派遣法に基づき、自衛隊に国際緊急援助空輸隊が組織され、エボラ出血熱対応で初めて自衛隊が海外派遣された。
今回は初めて、陸自の輸送部隊を西アフリカの現地に派遣する計画だ。シエラレオネではすでにエボラ出血熱により3千人を超える死者が出ており、防衛省は防護服を提供するだけでは貢献が足りないと判断。自衛隊員が現地に入り、医師や物資の輸送に当たる必要があると判断した。
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