|
|
|
|
いよいよ大雪の時期が到来したニューヨーク。毎年2月は極寒月で、今年もその例にもれず、氷点下が続く日々だ。そうなると、やはり温かい食べ物や飲み物がほしくなる。
ニューヨークには、冬のご当地グルメというものがじつはほとんどない。そんな中、これはニューヨーカーの冬の新たなお気に入りになるのでは? と思わせる「ブロス(出汁)」ドリンクが登場した。
このブロスドリンクを提供しているのは、イーストビレッジにあるレストラン「Hearth」の一角を使って昨年11月にオープンした「Brodo」だ。
コーヒーのテイクアウトカウンターさながらの店構えで、牛の肉骨などから取れる出汁から作ったブイヨンをペーパーカップに入れて、テイクアウトできるスタイルで販売している。カップを見ただけだとまるでコーヒーのようだが、中身は透き通ったブイヨンというのが目新しく、冬のドリンクに新しい選択肢ができたとニューヨーカーたちは喜んでいる。
主なメニューは、チキン、ターキー、ビーフから作られた「Hearthブロス」、「オーガニックチキンブロス」、ショウガの風味が加わった「ビーフブロス」の3種類。
素材は、穀物ではなく草で育てられた牛や、オーガニックなエサで育てられた鶏の肉などを使用しており、健康にこだわるニューヨークらしさを感じさせる。24時間以上、コトコト火にかけて作り出されたブロスは、体が温まるだけでなく、コラーゲンやゼラチン、グルコサミンなどが豊富で、美容と健康にいい要素がたっぷり。極寒の中過ごす体への栄養補給にも最適だ。豚骨スープなどのように骨を使ってとる出汁はアジアで日常的に使われているが、ここニューヨークでも、時間をかけて骨の栄養素を最大限に引き出す出汁を摂取することのよさが改めて見直されてきているようだ。
また、この骨から取れるブロスは、今ニューヨークでジワジワと話題になっている「パレオダイエット」で推奨されているメニューであるという点も注目すべきところ。
パレオダイエットとは、旧石器時代の食生活を真似た食事療法で、農耕文化が始まる前の食生活が健康維持にいいという考え方。パンや米のような穀物を取らず、当時のように肉、魚、卵、野菜、フルーツ、ナッツを中心とした食事の人気が広がりつつある中、このブロスドリンクもまたその盛り上がりに一役買っている。
このパレオダイエットの人気の背景には、そもそもの人間のDNAが素直に求める食生活ってなに? という疑問があり、その答えとして、農薬のような人工的なものはもとより、文明の発達から生まれた穀物も必要ないのでは? という考えが生まれていることがある。
最近はグルテンアレルギーの人も増えてきているが、グルテンを多く含む小麦のような穀物が健康によくないのでは? との考え方を後押ししてもいるようだ。
ここ数年、ニューヨークでは野菜や果物の栄養価をなるべく壊さない製法でつくられた「コールドプレスジュース」がブームで、夏の間は特に、このジュースだけを食事にするデトックス療法が人気だった。その影響で、今や街のあちこちでこのジュースショップが見られるが、これから冬は、この旧石器時代ブロスを飲む健康生活が定着していくのもしれない。
日本での雑誌編集者としてのキャリアを経て、2007年に渡米。FIT(NY州立ファッション工科大学)留学し、現在はファッション中心とした雑誌への取材執筆とファッション撮影を担当している。また、NYからグローバルな視点でアジアの最新のクリエーティブについて考えるニューメディアプロジェクト「yellow new media」も展開中。http://www.yellow-newmedia.com/
素人でも撮れる空撮映像
弁当男子に人気の曲げわっぱ