効果的な質問をするために知っておくべき6つの原則。【実例つき】


de58cae8b3613951765c0a6db5c71236_s仕事において、質問をするシーンは多い。

 

  • 面接の時
  • 仕事を任された時
  • 営業の時
  • クレームをもらった時
  • セミナーに参加した時
  • 議論している時

 

など、数々のシーンで「質問をすること」が求められる。だが、「質問がうまい人」は、それほど多くない。

「どういうことでしょう?」と聞き返されてしまったり、意図とは違う答えが返ってきて、「そういうことではなくてですね…」と質問をやりなおさなくてはいけないシーンは多い。

 

また、「質問すればいいのに、部下が聞きにこないので依頼したものとは程遠いものが出来上がってくる」と嘆く上司が多いが、これは部下の身になってみると、「困っているが、何を質問したら良いかわからない」という状態である。これも、「質問力が低い」ことに由来することが多い。

もちろん、上司が威圧的で怖い、という理由もあるが、質問が下手くそでイライラされてしまっている、というシーンを私は何度も見たことがある。これではお互いに嫌な気分になるだけだ。

 

したがって、「質問が出来る力」は、それなりに重要なスキルであることは間違いない。「質問なんか、だれでもできるだろう」とかんがえるのは間違いである。質問が出来る人は、仕事のできる人だ。

 では、「質問力」を上げるにはどうしたら良いか。実は、いくつかの原則を押さえるだけで、質問力を格段に向上させることができる。以下に、ご紹介する。

 

 

原則1. 「曖昧な質問に対しては、曖昧な回答があり、具体的な質問に対しては、具体的な回答がある」と知る。

 

例えば、「人生で重要な事は何ですか?」という質問を考えてみる。これはとても曖昧な質問である。人生のイメージや、重要さのイメージも人によってバラバラであるから、回答は当然、ばらつきが大きく、自分のイメージする答えが帰ってこない可能性が高い。

重要なことに対して、「家族」や「仕事」と言う一般的な回答をする人もいれば、「遅刻しないようにしている」とやたらと各論を返す人もいる。また、どう答えればよいかわからず、考えこんでしまう人もいるだろう。

 ところが、「うちの会社で出世するために重要な事は何ですか?」と少し具体的に質問をするだけで、格段に回答の精度は上がるし、もっと絞り込んで、「この書類を書く上で重要なことは何ですか?」と聞けば、さらに精度が上がる。

「重要」という言葉がまだ曖昧なので、例えば「この書類を書く上で、部長に書き直しをさせられないようにするためにどうしたら良いか、ポイントを幾つか教えてください」と言えば、さらに具体的な回答が得られる。

 

このように、曖昧な質問に対しては、曖昧な回答、具体的な質問に対しては具体的な回答が得られる、という原則が存在する。

 

 

 原則2. 質問を受ける側は、「何を聞きたいのか」を最初に知りたがる。

通常質問をする時は、「質問してもいいですか?」と相手に許可をもらってから質問をする。それはそれでいい。

しかし、その後がマズイ人が多い。質問に至るまでのの背景や、人物関係などを詳細に説明した上で、ようやく「何が聞きたいのか」を教えてくれる人が多いのである。これでは、「質問を受けた人」がイライラしてしまう。

質問をするときに、背景や人物関係は後で良い。まずは、「何を聞きたいのか」を最初に相手に伝えよう。

 

悪い例  「すいません、先輩、今質問をいいですか? 昨日お客さんと◯◯ということがあって、私が◯◯と回答しました。そこで…… で、聞きたいのは…」

良い例  「すいません、先輩、今質問をいいですか? 聞きたいのは、お客さんにA、という回答をすべきか、Bという回答をすべきか、どちらにするかです。背景を説明しますと、昨日お客さんと◯◯ということがあって…」

 

説明している時間は同じだが、下の例のようにすれば、相手がイライラしにくい。

 

 

原則3.質問を受ける側は、話を聴く途中で逆質問したい。

質問を受ける側は、「どうせ回答するなら、出来るだけ正確に回答したい」と思っている。だが、質問者の話が長いと、自分が考えていることが正しいかどうか不安になる。だから、質問に回答する前に様々な逆質問をしたくなる。

だから質問者はできるだけ、途中で認識があっているかどうかを相手に確認しよう。これをするのは非常にカンタンだ。質問をする側は、「ここまではよろしいですか?」と質問の途中途中で確認を入れるだけだ。

 

例 私が知りたいのは、Aさんに対してどのような評価をつけるべきかです。今期のAさんの成果は◯◯で、部下の育成については◯◯でした。ここまでは宜しいですか?不明な点はありますか?…ありがとうございます。では先を続けます。

 

 

原則4.質問を受ける側は、「質問に回答することを求められている」のか、「単に聞いて欲しいだけなのか」、それとも「私を責めたいのか」を判断しようとする。

世の中には、「回答を求める質問」と、「聞いて欲しいだけの質問」、そして「相手を責める質問」の3通りの質問がある。

 

回答を求める質問の例) 「部長、◯◯さんの案と、◯◯さんの案、どちらを採用すべきでしょうか?」

聞いて欲しいだけの質問の例) 「会社がどうしてあんな決定をしたのか、すごい疑問なんです。なんでなんですかね?会社不信になりそうです。」

責める質問の例) 「なんできちんとメールを送らなかったんですか?」

 

「聞いて欲しいだけの質問をする相手」にまともに回答しても揉めるだけである。

特に親しい間柄の方からの質問の場合、質問を受ける側は「聞いて欲しいだけの質問」なのかどうか迷う。できれば質問者は「聞いて欲しいだけ」の時は、「いや、別に回答がほしいわけじゃないんですけど」などと前置きをつけてあげて欲しい。

また、「私が責められている」と感じる質問には、相手は回答しない。「責めているわけではない」とアピールするために、「特に問題があるわけではないんですが…」と言わざるをえないときもあるだろう。

 

 

原則5.質問を受ける側は、「あなたの考えを知らないと、回答できないよ」と思っている

配慮のある大人であれば、たいていの質問に対して「100%自分の考えを率直に述べる」ことはあまりしない。相手の状況や考え方などを聞き、その上でそれに合う回答をしたいと考えている。

したがって、あなたが自分の考えなどについて情報開示をすればするほど、相手は回答しやすい。

質問をする時は、積極的に自分の考えを述べよう。質問をする前に、「私は…と思うんですけど」と、挟むだけでもかなり違う。初対面の相手などでは、なおさらである。

また、回答を求めて質問される側は、大抵の場合、「あなたの質問に対して、私だけが考えるのではなく、あなたも一緒に考えてほしい」とも思っている。その場合質問者は、「質問を相手に投げてそれきり」ではなく、「一緒に考えよう」という態度で臨まなくてはいけない。

 

 

原則6.質問を受ける側は、一つ一つ回答する時間がほしい。

質問をする方は、一度に複数の質問をしてしまいがちである。だが、質問に回答する方は一度に複数の質問に回答することは出来ない。

一つ一つの質問に対して考え、回答する時間がほしいのだ。

質問をする時は、1度に1つだけの質問をし、その後に焦らず回答を待とう。回答があってから、次の質問をしよう。

 

 

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