液晶失速は一過性、中国スマホ2000億円計画は維持=シャープ専務
[大阪市 13日 ロイター] - シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート) の方志教和専務(液晶担当役員)は13日、大阪市内で記者団に対し、同社の液晶事業の失速は「一過性」との見方を示した。そのうえで、2014年度の中国スマホ事業の売り上げ計画2000億円には変化はないと述べた。
同社の14年10―12月期の液晶事業が想定を下回ったのは、タブレット端末向け液晶の需要減速が主因という。米アップル(AAPL.O: 株価, 企業情報, レポート)の「iPad mini(7.9インチ)」や中国の小米科技(シャオミ)の「MiPad(7.9インチ)」の需要が伸びなかったことが背景とみられる。
方志専務は「影響を受けたのはタブレット端末向け液晶」として「中国でのスマホ用液晶の売上計画2000億円に変わりはない」と強調した。むしろ、昨年末までに、好調な中国スマホ用液晶の売り上げを上積みすることで、タブレット向け液晶の落ち込みをカバーする意向だったという。
しかし、昨年10月に経営破たんした台湾のタッチパネルメーカー、勝華科技(ウィンテック)の工場が閉鎖したことでサプライチェーンが混乱。これにより、中国スマホの生産が遅れたため、タブレット端末用液晶の落ち込みを埋められず、液晶事業全体の下方修正に至ったという。
<インセルの時代は想定より早い>
10―12月期は、競合するジャパンディスプレイ(6740.T: 株価, ニュース, レポート)が中国スマホ市場で、タッチパネル機能を埋め込んだ「インセル型」の液晶で攻勢をかけた。一方のシャープは、インセル型液晶の量産に至っていないが「オセロのようにシェアを奪われたというデータはない」と述べた。
方志専務は、ジャパンディスプレイがインセル型液晶を積極的に営業したことで「中国の顧客が急激に関心を持ったのは事実。インセルの時代が来るとは思っていたが想定より早い」と述べた。シャープも、インセル型液晶の量産を6―7月に始める計画。
中国市場の価格競争については「競合が入って価格の押し下げがあるが若干の影響。ちょうど為替と相殺くらいの状況で、大きなマイナスはない」と述べた。 続く...