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立地自治体以外の意見も聞くべきの声も
2月12日 4時10分

福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機について、原子力規制委員会は、再稼働の前提となる審査に合格したことを示す審査書を12日に正式に決定します。
電力会社が原発を再稼働させる場合、地元の同意を得る法的な義務はありませんが、関西電力は建設当時からの経緯を踏まえ、高浜原発が立地する高浜町や福井県と結んでいる「安全協定」に基づいて同意を得たいとしています。
この一方で、事故に備えた防災計画を作るよう義務づけられている高浜原発から30キロ圏内には、福井県と京都府、それに滋賀県の3つの府県の合わせて12の市と町が含まれ、立地する自治体以外の意見も聞くべきだという声が上がっています。

福井県

原発が立地する福井県高浜町の野瀬豊町長は、原子力規制庁に対し、審査結果を分かりやすくまとめたビデオを作るよう要望しました。
町内のおよそ4200世帯のほとんどが加入するケーブルテレビで放送し、住民に内容を理解してもらうのがねらいで、規制庁はこれに応じる姿勢を示しています。
野瀬町長は、住民の意向や町議会の議論を踏まえ、同意するかどうか判断する方針です。
また、福井県の西川知事は、専門家などで作る県の委員会や県議会の意向などを踏まえ、同意するかどうか判断する方針です。
一方で、福井県内では、原発が立地していない4つの市と町が独自に協議会を作り、関西電力に対し、立地自治体並みの権限を求めています。
しかし、関西電力は、再稼働への同意を得るのは立地自治体に限られるとの認識を示しています。

京都府

京都府では、高浜原発から30キロ圏内に7つの市と町が位置しています。
このうち、最も近いところでおよそ3キロの距離にある舞鶴市と京都府は、関西電力との間で、事故が起きた際、速やかに連絡することを定めた協定を結び、さらに、立地自治体並みの安全協定を求めて協議してきました。
そして、京都府は先月、新たな協定の骨子案をまとめ、「施設の重要な変更を行う場合などに事前に説明を受け意見を述べることができ、関西電力が回答する」という内容を盛り込みました。
しかし、再稼働の際、同意を必要とするような協定までは求めないことになりました。
京都府は、さらに、舞鶴市が京都府を通じて関西電力に意見を述べられるようにする覚書を交わすほか、30キロ圏内の7つの市や町と共に協議会を設け、情報交換を行う方針を示しています。
この一方で、面積の大半が30キロ圏内にある宮津市や、30キロを超えた場所に位置する京丹後市が、先月、相次いで、安全協定の締結を関西電力に申し入れ、対応が注目されています。

滋賀県

滋賀県では、高島市の一部が30キロ圏に入り、県と市は関西電力に対し、安全協定の締結を求めています。
これに対し関西電力は、安全協定ではなく、トラブルが発生した際に滋賀県と連絡を取り合うとした「確認書」を取り交わす案を示していますが、滋賀県などは了承していません。
滋賀県の三日月知事は「安全協定もなく避難計画も整わない状況では、再稼働を容認できる環境にはない」などと発言し、安全協定が締結されないなかで、再稼働は認めないという姿勢を示しています。

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