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こにしき(言葉、日本社会、教育) このページをアンテナに追加 RSSフィード

February 18, 2015

博士論文を出版する(その1)

博士論文を無事書き終えたら、その成果を何らかの形で公表するのが一般的である

というわけで、博士号をとった人が次に行う選択肢はおおざっぱに言って次の3つである。

  1. 博論をいくつかに分割して、学術雑誌記事として公表する
  2. 博論を一部修正し、通常は出版助成を取得したうえで、学術書として刊行する
  3. 一般書として刊行する。一般層を想定読者にする以上、大幅な修正が必要

もちろん「0. とくに何もしない」という選択肢もあっていいと思うが、ここでは除外。


日本の人文社会系で一般的なのは「2」だろうが、例外的に「1」が主流の分野もある(経済学言語学心理学など――間違っていたらご指摘ください)。


日本の応用言語学・外国語教育研究は、学問レベルで見ればもちろん言語学・心理学の影響が強いのだが、「講座」に代表される制度の面では英文科・仏文科や教育学といった伝統的な人文社会系の影響も色濃く残る。なので、「1」と「2」のどちらかが圧倒的に優勢ということはないと思う。


私はというと「3」である。私は、出版助成による学術書刊行ではなく、一般書としての出版を選択した。

出版までの経緯を簡単に(いろいろ簡単でない部分もあるが)まとめると以下の様な感じになる。


2012年初め頃
出版社(X社)と博論出版の相談。その結果、出版が仮決定(ただし、まだ5割くらいしかできていない段階)
2012年8月
博論の下書き完成、その後博論審査委員会
2013年3月上旬
博論最終審査合格*1
2013年3月中旬〜4月上旬
博論を章立てレベルから大幅に書き直す。そしてボリュームも減らす(その結果、約10万字削減)
2013年5月
X社からの出版が白紙
2013年6月
気を取り直して営業活動を再開。原稿はすでにできているので、それをもとにY社に出版の打診
2013年7月
出版決定
2013年8月〜9月
下書き原稿をさらに修正(さらに約2万字くらい削減)
2013年12月
初校
2014年2月
出版

↓その結果がこの本↓


上記の詳細については、また後日。

*1:なお、博論提出・博士号取得は同年4月である。ほんとうは3月31日付けで修了したかったのだが手続き的な面でギリギリ間に合わなかった。結果、2013年3月満期退学、同年4月学位取得という微妙な経歴になっている。

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