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イラン大統領 対テロリストでの役割強調2月12日 5時47分
イランのロウハニ大統領は、イスラム革命の記念式典の演説で、イスラム過激派組織「イスラム国」などを念頭に、「テロリストを根絶やしにしたいのなら、イランの存在は無視できないはずだ」と述べて、イランの役割を強調し、核開発問題を巡って欧米側の譲歩を引き出すねらいもあるものとみられます。
イランでは11日、親米の王政を打倒したイスラム革命から36年を祝う記念式典が首都テヘランで開かれ、集まった人たちが「アメリカに死を」などとシュプレヒコールを上げました。
ロウハニ大統領は演説で、イランが核開発問題を巡って欧米など関係6か国と協議を続けていることについて、「欧米の制裁を恐れているわけではない」と述べ、制裁の圧力に屈したためだとする欧米側の見方を否定しました。
そのうえで、ロウハニ大統領は、「イスラム国」への対応で、イランがシリアやイラクの政府軍を支援していることなどを念頭に、「テロリストを根絶やしにしたいのなら、イランの存在は無視できないはずだ」と述べ、地域の安定を目指すイランと欧米の双方にとって、制裁の解除は利益をもたらすと主張しました。
核開発問題を巡る協議は、ことし6月末までに最終合意の実現を目指しているものの、難航しているとみられ、イラン側としては、対「イスラム国」での役割を強調することで、欧米側の譲歩を引き出すねらいもあるものとみられます。