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米 「イスラム国」に武力行使の決議案
2月12日 6時56分

米 「イスラム国」に武力行使の決議案
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アメリカのオバマ大統領は、イスラム過激派組織「イスラム国」に対する武力行使について、アメリカ軍が地上での戦闘に関わることは認めないとする一方、人質の救出などで限定的な地上作戦は容認する内容の決議案を上下両院に送り、今後、議会で本格的な議論が行われることになりました。

この決議案は「『イスラム国』に対する武力行使の権限」という名称で、オバマ大統領が11日、上下両院に送りました。
決議案では、「イスラム国」は、中東のイラクとシリアだけでなく、アメリカ本土と同盟国などに深刻な脅威をもたらし、4人のアメリカ人が犠牲になったと非難したうえで、議会に過激派組織に対する武力行使の承認を求めています。
そのうえで、決議案は、武力行使を認める期間を3年間とし、地上での戦闘に継続的にアメリカ軍が関わることは認めないとしています。
そして、大統領は、「イスラム国」に対する武力行使について、少なくとも半年に一度、議会に報告するとしています。
オバマ大統領は、議会に送った書簡で、イラクやアフガニスタンで行ってきたような長期間にわたる大規模な地上での戦闘は想定しないとしたうえで、「アメリカ国民などの救出や『イスラム国』の指導者に対する特殊部隊による作戦で、限定的に地上作戦を行うことはある」としています。
アメリカ軍は、「イスラム国」に対する空爆を、イラクでは去年8月から、シリアでも去年9月から続けていますが、その根拠について、オバマ政権は、2001年の同時多発テロ事件のあとにアメリカ議会が採択した決議を挙げてきました。
これに対し議会からは、「イスラム国」への軍事作戦には議会の正式な承認が必要だという声が出ていました。
「イスラム国」との戦いを巡り、アメリカ議会では、野党・共和党の議員の一部から、組織の壊滅には地上部隊の投入が不可欠だという意見も出ており、今後、この決議案を巡り、地上部隊の扱いや武力行使を認める期間などについて本格的な議論が行われることになりました。

オバマ大統領が声明を発表

アメリカのオバマ大統領は、議会にイスラム過激派組織「イスラム国」に対する武力行使の承認を求める決議案を送ったことを受けて、11日、ホワイトハウスで声明を発表しました。
この中で、オバマ大統領は、「議会に送った決議案で、何を行い、何をしないのか、明確にしたい」と述べ、決議案の目的を説明しました。
そして、「決議案は、イラクやシリアにアメリカ軍の地上部隊の展開を求めるものではない。アフガニスタンやイラクのような地上戦の承認を求めるものでもない。イラクに今、派遣されているアメリカ軍の2600人の兵士はほとんどが基地にいて戦闘任務には当たらない」と述べ、イラク軍やクルド人部隊の訓練に当たる方針に変わりはないと強調しました。
そのうえで、オバマ大統領は、「『イスラム国』の指導者に関する情報を得て、友好国の部隊が行動できない場合、アメリカ軍の特殊部隊に作戦を命じることはある」と述べ、限定的な形でアメリカ軍が地上での作戦に関わる可能性を排除しない考えも示しました。

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