厚生労働省が18日まとめた2014年の毎月勤労統計調査(確報値)によると、1人あたりの現金給与総額は31万6567円と前年比0.8%増えた。賃金が増えるのは4年ぶりで、伸び率としては17年ぶりの大きさだ。人手不足の広がりや企業業績の改善で賃上げの動きが広がった。ただ、物価上昇のペースには追いつかず、実質賃金は2.5%減となった。
5人以上の事業所を調べた。内訳を見ると特別給与が5万5538円と3.3%増えた。利益が増えた企業が従業員にボーナスで還元した。残業代にあたる所定外給与も3.1%増えて1万9691円だった。製造業や電気・ガス業で残業が増えた。
基本給を示す所定内給与は24万1338円で増減ゼロだった。14年春に賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)が広がったものの、賃金が低いパート労働者が増えたことが下押し圧力となった。
現金給与総額を業種別にみると、郵便局など複合サービス業が3.9%増えた。日本郵政がベアに踏み切ったことなどが要因とみられる。電気・ガス業(2.9%増)、不動産・物品賃貸業(2.9%増)のほか、製造業(2.5%増)など幅広い業種で伸びた。
厚生労働省、ベア、日本郵政