二刀流に挑む日本ハム・大谷翔平投手について、これまで筆者は事あるごとに打者・大谷こそが10年に一人の逸材で、マイアミ・マーリンズのイチロー外野手、元ニューヨーク・ヤンキースの松井秀喜さん以来、久々にメジャーで勝負できる打者になれる、と書いてきた。そんな中、長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督に取材をする機会があったので、そこで改めて大谷の投手と打者のどちらに魅力を感じるのかを聞いてみた。
すると長嶋監督は、あっさり断を下した。
「大谷はねえ、バッターもいいけどやっぱりオレはピッチャーだな。そう思うよ」
そう一気に言うと、長嶋監督は目を輝かせて投手・大谷の魅力を語ってくれた。
「とにかく彼はこれまでの日本人が持っていないものを持っている。何より体がいい。(身長も)194、5(cm)あるわけでしょう。それでいてあの身のこなしができる。これまでの日本人にないものを持っているんだ。あの動きを見ると、やっぱりメジャーのピッチャーだなと思うよ。(球速が)160kmを超えて話題になっているけど、164から165kmは出ると思う。メジャーに行ったってエース、ローテーションの柱になれるピッチャーだよ」
長嶋監督の持論は、同じ才能なら投手より野手。
実は長嶋監督からは昔、「投手と野手の才能が同じくらいにあり、プロでどちらもできる可能性があるのなら、毎日ファンの前に立てる野手になるべき」という持論を聞いたことがある。
「本人にとってもバッターの方がこれを稼げるでしょう。ピッチャーはちょっと肩を壊したらおしまいだからね」
こう言って親指と人差し指で輪っかを作って、ニヤリと笑ったのが印象的だった。
しかしそんな持論の長嶋監督ですら、大谷に関しては将来的には投手一本で勝負することを勧めているのだ。
その目には、どれほどこの右腕の才能が光り輝いて見えていたのか。そう思うと、改めてこちらも投手・大谷を見る目が変わってきてしまうのである。
プロ野球亭日乗 バックナンバー
- 人々の目が松坂大輔に向く陰で……。 攝津正が受ける“恩恵”と再起。 2015年2月16日
- 原監督「コメントも変わってきた?」 新主将・坂本勇人が探る新たな世界。 2015年2月12日
- 原監督、プレーヤー部門で殿堂逃す。 曖昧な投票基準と、問われる「見識」。 2015年1月29日