「中国人の消費額はけた違い」…百貨店が熱視線
読売新聞 2月18日(水)9時20分配信
中国の「春節」をはさんだ大型連休が18日から始まる。
日本の小売業界や観光業界にとっては一大イベントで、品ぞろえの充実やイベントの開催などで消費の取り込みを目指している。年末年始の商戦が一段落し、2月は国内消費が停滞しがちなだけに、中国人らへの期待は大きい。
◆消費額「けた違い」
三越銀座店(東京都中央区)は中国人向けのスーツを販売する。いかり肩でかっぷくの良い体形が多い中国人向けにメーカーと共同企画し、税抜き価格7万9000円〜13万円。いずれも価格は高めだが、「中国人は日本の品質を好むので、ものが良ければ、高くても売れる」(同店)。
春節の時期は例年、中国人客が急増し、免税販売が前週の約2倍になる店もあるという。しかも、「中国人の消費額はけた違いに大きい」(百貨店幹部)。
実際、観光庁によると、中国からの訪日客の1人当たりの支出総額(2014年)は23万円超と、全体平均より約8万円多い。特に、買い物に使う金額は約12万7000円と、他の国・地域からの訪日客の5万円前後を大きく上回る。
◆銀聯カード対応
高島屋新宿店(東京都渋谷区)や福岡三越(福岡市)では、100万円以上する赤サンゴや真珠などのほか、100万円以上する鉄瓶なども人気が集まるとみている。阪急百貨店梅田本店(大阪市北区)は、人気ブランド品などを紹介した冊子を配布する。
日用品や食品も人気で、西武池袋本店(東京都豊島区)などは日用品の福袋を用意する。ドン・キホーテ銀座本館では「茶風味の菓子や、化粧品などを箱買いする人も多い」(店頭担当者)という。ドン・キホーテは19日以降、全店で中国の「銀聯(ぎんれん)カード」で支払いができるようにする。
◆2月は閑散期
レジャー業界にとっても、春節は重要だ。「2月は訪日する外国人旅行者が少ないオフシーズン」(旅行業大手)のため、春節で訪れる中国人らは貴重なのだ。
西武グループのプリンスホテルは、都心のほか、長野・軽井沢や札幌、京都など全国12か所のホテルで春節向けの料理メニューを提供する。東京スカイツリーでは、滞在時間に限りのある外国人旅行者向けに、短い待ち時間で済む専用チケットを販売する。
円安やビザ緩和などで訪日外国人が増加傾向にある中で、春節は回復が鈍い日本の景気にも影響を与えそうだ。
最終更新:2月18日(水)9時20分
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