この著者に聞け
2015年02月18日(水)

もうすぐ毒親になるかもしれない私たちが考える"こじらせ家庭"の直し方、愛し方【後編】今や、毒母になるほうが普通?!

「傷口から人生。」出版記念対談

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森山誉恵さんと小野美由紀さん
2015年2月10日に『傷口から人生。メンヘラが就活して失敗したら生きるのが面白くなった』(幻冬舎文庫)を刊行したライターの小野美由紀さんと、格差の下にいる子どもたちに必要な支援を届けるNPO「3keys」代表の森山誉恵さん。同世代で普段から交流もあるという二人が、本にも描かれている「毒母」(子どもに対してトラウマとなるほどの支配や精神的な抑圧を行い、依存する親)をテーマに語り合う、後編! 前編はこちらからご覧ください。

今や、毒親にならないほうが難しい時代?!

森山: 私はもはや、今の時代は「普通に暮らしているだけで、毒母になりやすい社会環境」だと思ってるんだよね。

小野: 普通に暮らすってどういうこと?

森山: すごく頑張って、色んな勉強や準備をして、気をつけていないと、毒親になりやすい時代。環境的に、周りに助けてくれる人がすごく少ないし、何も考えずに生きてたらたぶん毒母になるんじゃないかなと思ってて。

私自身、今はいい関係性になったけど、親と大変な時期もあったし、そっちの方がむしろ普通というか、未熟で当然というか。毒母らしい要素を持たずに子供を育てるのは、すごく高度なスキルだと私は思う。

小野: 「お母さんは頑張って当然」みたいなオーラってすごいあるから、それで毒母になりやすいんだろうなって思う。ちょっと前に、働くお母さんの1日みたいなCMがあって、話題になったけどさ。"頑張りすぎでしょ"みたいな。

森山: あったよね、そんな綺麗な親いないよみたいな。

小野: 大企業が無自覚につくりましたみたいなやつ。

森山: 海外と比較されてた記事もあったよね、海外のは、ヒッチャカメッチャカの家でお母さんドタバタしてますみたいなかんじなのに、日本はめちゃくちゃ綺麗な家で超掃除されてて。

小野: 海外のほうがぜんぜんリアル。

森山: 日本のは、新婚家庭みたいな綺麗さだったよね。

小野: VERY妻的なね。みんながみんなVERY妻じゃないのに!(笑)別にVERY妻なんてなりたくないよ。

森山: ああいうの見ちゃうとね。比較したら絶対汚いから、うち、超ダメじゃんて思うよね。特に女の人は「こうあるべき」っていう社会的なイメージがとても強いし。

小野: 「毒母」とは言われるけど、逆に「毒父」って言われないじゃん。男は働いて稼いでいるだけで偉くて、それだけで父親の役割は満たされていると思ってるからこそ、DVとか虐待とか、犯罪にでもならないかぎり、毒父の影響についてはなかなか言われない。

森山: 毒になるほど、育児に関わってないのかもね。

小野: そうかも!

森山: これから出てくるかもしれないね。

小野: 「イクメン」って騒がれてた人が実は毒父だったみたいな?(笑)

森山: ありそうだね!

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