「これからライブ・コンサートに携わるみなさんは、音楽の一番重要な部分を担う人たちでもある」
ミュージシャン 高野寛氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録
ミュージシャン 高野寛氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録
多様化するライブ・エンタテイメント
僕が今年(注:講演は2014年12月16日)リリースした25周年記念のアルバムはブラジルで録音してきました。その予告編を流したいと思います。
僕のオフィシャルサイトには色んなアイコンを並べてあります。Twitter、Facebook、Instagram、SoundCloud、YouTube、これはnoteっていうSNSです。
Twitterのアカウントを持っている人? これはほぼ100%だね。Facebookをやっている人? これもかなりの比率。Instagramをやっている人? これはだいぶ少なくなる。SoundCloudで何か発表している人? これはかなりのマイノリティー。YouTubeのアカウント持っている人? 意外といるね。noteを知っている人? 意外といない(笑)。
まあそんな感じで、自分でも混乱するぐらい色んなことをSNSで発表しています。これは今のインターネット中心の時代にはミュージシャンとしては欠かせないことで、みんなやっていますね。
SNSは時代とともにどんどん変わっていくので気が抜けないですね。数年前までMySpaceというSNSがミューシャンの間では結構主流で、海外にツアーに行くと、海外のミュージシャンからメールアドレスのかわりにMySpaceのアカウントを聞かれました。それほどMySpaceは流行っていたのに、あっという間に使われなくなってしまいました。mixiもありましたけど、みんなの世代ではもう廃れていたのかな。そんなふうに移り変わりが激しいところがインターネットの世界の怖さですよね。FacebookやTwitterも来年あたりどうなっているか分からないくらいですね。でも、そういう中に僕らは漂っているというか、SNSで繋がっている人がたくさんいて、不思議な時代だと思います。
僕は今、25周年記念のアコースティックツアーをやっています。あと2本を残すのみなんですけれども、例えばカフェやギャラリー、レストランもまわりました。他には幼稚園、岩手県盛岡の大慈清水御休み処、これは古民家ですね。滋賀県旧大津公会堂は昭和4年に建てられた古い公会堂、奈良県の法徳寺というお寺。このように色んな会場でライブをやっています。こういうことができるようになったのは、まさにインターネットのおかげなんですね。あとは機材が小さく高性能になって、音響施設がない場所でもスペースがあればどこでもできるようになりました。
みなさんが今勉強しているライブ・エンタテイメントの世界というのは、アーティストがいてイベンターというライブをブッキングする人たちがいて、会場があって、そこから発信される情報で人が集まってくるのが基本的な仕組みです。だけど、今の時代はインターネットでアーティストが自分でライブの情報を発信して、ライブ会場じゃないようなところに人を集めることができる。昔だったらフライヤーや口コミしか広める手立てがなかった。中にはバンドの車に機材を積み込んで、音響機器も全部自分たちでセッティングしてツアーをやっている強者も結構いますね。マスメディアで取り上げられるほど大きなムーブメントにはなっていないけれど、ライブのスタイルが多様化しているという意味ではすごく面白い時期だなと僕は思っています。
先ほど少しお話しましたが、20世紀はやはりCDありきだったんですね。ミュージシャンはCDを出すことが一番重要な使命で、それが最大の収入源になっていましたし、CDがなければ音楽業界は成り立ちませんでした。今はそこが一番変わったところで、僕自身は今ライブがないと成り立たないと思っています。例えば、CDショップ経由のCDの売上よりも、ライブ会場の物販CD、手売りの方が多いアーティストがかなりいるというのが2014年の実情です。だから、これからライブ・コンサートに携わっていこうとしているみなさんは、音楽の一番重要な部分を担っていく人たちでもあると思うので、そのことは是非知っておいてほしいと思います。
中には以前よりCDが売れなくなったことを嘆くベテランのアーティストの方々もいるんですが、僕自身はそのようには捉えていなくて、もともと音楽というのは、レコードが発明される以前は、本当にその場だけのもの、記録できないもの、残らないものだったんですね。時間と場所を共有しないと体験できない儚いもの。だからこそ素晴らしい芸術だったんですが、それがレコードが発明されたことで、繰り返し、どこでも聴けることになったわけです。
その歴史はたかだか100年ちょっとのもので、今は100年前に戻ったという考えで僕はいて。これから、色々な予測があるんですが、CDというものがどこまで続くかは正直分からないです。日本はまだCDが生き残っている方で、欧米だとほぼアナログ盤とダウンロードが主流になってきているらしいですが、もしかして日本も数年後はそうなっているかもしれません。CDを出したら「珍しいね」みたいな時代が来るかもしれないですね。
僕のオフィシャルサイトには色んなアイコンを並べてあります。Twitter、Facebook、Instagram、SoundCloud、YouTube、これはnoteっていうSNSです。
Twitterのアカウントを持っている人? これはほぼ100%だね。Facebookをやっている人? これもかなりの比率。Instagramをやっている人? これはだいぶ少なくなる。SoundCloudで何か発表している人? これはかなりのマイノリティー。YouTubeのアカウント持っている人? 意外といるね。noteを知っている人? 意外といない(笑)。
まあそんな感じで、自分でも混乱するぐらい色んなことをSNSで発表しています。これは今のインターネット中心の時代にはミュージシャンとしては欠かせないことで、みんなやっていますね。
SNSは時代とともにどんどん変わっていくので気が抜けないですね。数年前までMySpaceというSNSがミューシャンの間では結構主流で、海外にツアーに行くと、海外のミュージシャンからメールアドレスのかわりにMySpaceのアカウントを聞かれました。それほどMySpaceは流行っていたのに、あっという間に使われなくなってしまいました。mixiもありましたけど、みんなの世代ではもう廃れていたのかな。そんなふうに移り変わりが激しいところがインターネットの世界の怖さですよね。FacebookやTwitterも来年あたりどうなっているか分からないくらいですね。でも、そういう中に僕らは漂っているというか、SNSで繋がっている人がたくさんいて、不思議な時代だと思います。
僕は今、25周年記念のアコースティックツアーをやっています。あと2本を残すのみなんですけれども、例えばカフェやギャラリー、レストランもまわりました。他には幼稚園、岩手県盛岡の大慈清水御休み処、これは古民家ですね。滋賀県旧大津公会堂は昭和4年に建てられた古い公会堂、奈良県の法徳寺というお寺。このように色んな会場でライブをやっています。こういうことができるようになったのは、まさにインターネットのおかげなんですね。あとは機材が小さく高性能になって、音響施設がない場所でもスペースがあればどこでもできるようになりました。
みなさんが今勉強しているライブ・エンタテイメントの世界というのは、アーティストがいてイベンターというライブをブッキングする人たちがいて、会場があって、そこから発信される情報で人が集まってくるのが基本的な仕組みです。だけど、今の時代はインターネットでアーティストが自分でライブの情報を発信して、ライブ会場じゃないようなところに人を集めることができる。昔だったらフライヤーや口コミしか広める手立てがなかった。中にはバンドの車に機材を積み込んで、音響機器も全部自分たちでセッティングしてツアーをやっている強者も結構いますね。マスメディアで取り上げられるほど大きなムーブメントにはなっていないけれど、ライブのスタイルが多様化しているという意味ではすごく面白い時期だなと僕は思っています。
先ほど少しお話しましたが、20世紀はやはりCDありきだったんですね。ミュージシャンはCDを出すことが一番重要な使命で、それが最大の収入源になっていましたし、CDがなければ音楽業界は成り立ちませんでした。今はそこが一番変わったところで、僕自身は今ライブがないと成り立たないと思っています。例えば、CDショップ経由のCDの売上よりも、ライブ会場の物販CD、手売りの方が多いアーティストがかなりいるというのが2014年の実情です。だから、これからライブ・コンサートに携わっていこうとしているみなさんは、音楽の一番重要な部分を担っていく人たちでもあると思うので、そのことは是非知っておいてほしいと思います。
中には以前よりCDが売れなくなったことを嘆くベテランのアーティストの方々もいるんですが、僕自身はそのようには捉えていなくて、もともと音楽というのは、レコードが発明される以前は、本当にその場だけのもの、記録できないもの、残らないものだったんですね。時間と場所を共有しないと体験できない儚いもの。だからこそ素晴らしい芸術だったんですが、それがレコードが発明されたことで、繰り返し、どこでも聴けることになったわけです。
その歴史はたかだか100年ちょっとのもので、今は100年前に戻ったという考えで僕はいて。これから、色々な予測があるんですが、CDというものがどこまで続くかは正直分からないです。日本はまだCDが生き残っている方で、欧米だとほぼアナログ盤とダウンロードが主流になってきているらしいですが、もしかして日本も数年後はそうなっているかもしれません。CDを出したら「珍しいね」みたいな時代が来るかもしれないですね。