「これからライブ・コンサートに携わるみなさんは、音楽の一番重要な部分を担う人たちでもある」
ミュージシャン 高野寛氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録
ミュージシャン 高野寛氏「ライブ・エンタテインメント論」特別講座 採録
20世紀はJ-POPとCDの時代
僕がデビューした当時はアナログからCDへの移行が本格的に始まった頃で、8センチのCDシングル―こういう形のものはあまり見たことがないですよね―そしてアルバムもアナログ盤が少しだけど売られていました。その後CDが普及して一気にJ-POPが花咲きました。
今年CDを買った人? 結構みんな買っているね。一枚も買ってないという人は? それでも3分の1くらいは買ってないか。
多分、これだけの比率でCDを買っている人がいるのは、メディアを学んでいる大学ならではなのかなと思います。僕の感触だと、一般的な20代の人たちは今はほとんどCDを買わないという気がしています。
僕が26年間活動してきて、どのように音楽が変わったのか。やっぱり20世紀はJ-POPの時代、そしてCDの時代でした。僕らミュージシャンはまずCDをリリースして詞曲を世の中に聴いてもらって、その新曲を披露するかたちでライブツアーをやるという流れが以前はありました。ところが、その後にiPodが発売されて、インターネットが普及してみんながCDを聴かなくなってきた。
音楽をチェックする時って何から情報を得ますか? YouTube? ブログとかツイッター? どちらにしてもネットの情報がすごく強いと思います。僕自身そうですが、インターネットで新しい音楽を知って、試聴して、いいなと思ったらライブに足を運んで、その後にCDを買うという順序になってきていますね。
ちなみに家にテレビがない人いますか? テレビに出ているミュージシャンもすごく多いですけど、以前に比べると音楽番組も減ってきました。僕のまわりのミュージシャンたちは特にそうなんですけど、ライブが中心になってきているのが実感として強くありますね。
ライブの様子。デビュー曲「See You Again」や、サントリー GREEN DA・KA・RAのCM曲などを披露した